事件前にあった“救急車騒動”
近所に住む80代男性らによると、杉本容疑者は約1年前、新築の一戸建て住宅にひとりで引っ越してきた。
「持ち主は別にいるため賃貸物件のはずです。しばらくすると、同年輩の女性と同棲を始めました。杉本さんがどういう仕事をしているか、さっぱりわかりません。平日の日中も自宅にいましたし、たまにラフな服装で出てきて車で買い出しに行くといった生活パターンでしたね」(80代男性住民)
仕事はともかく、同棲生活は当初のうちはうまくいっているように見えたという。
近所の女性の話。
「最初は夫婦と勘違いしたほどです。女性はベランダに洗濯物を干したり、かいがいしく家事をこなしていました。ふくよかで、昔はギャルだったのかなと思わせる雰囲気もあり、なんとなく似た者同士のカップルでした」
ふたりは犬を飼っていた。病気のせいか活発に動けず、弱々しく歩くコリーだった。
「犬に赤い服を着せてふたりそろって散歩させるなど、とっても仲のよいカップルだったんです。一緒に洗車したり、彼女を助手席に乗せて買い物に出かけたりしていましたね。あの騒動が起こるまでは……」(別の女性住民)
複数の近隣住民によると、事件のおよそ1か月前、容疑者宅に2日連続で救急車が呼ばれる騒動があったという。
「1回目は夜中で、2回目は日中でした。杉本容疑者が外に出てきて“こっちです、こっちです”と救急車を誘導していました。彼女の具合が悪くなったのかなと思ったんですが、救急隊員はストレッチャーを準備しているのに家から誰も出てこないし、ストレッチャーを家に迎え入れる様子もないんです。杉本容疑者は室内にいる誰かに向かって“早くして”などと急かしていました。結局、誰も搬送されることはなく、救急隊員はストレッチャーを畳んで帰っていきました」(近所の住民)
泥酔した人がタクシー代わりに救急車を呼ぶなどモラルなき救急通報が社会問題化しているさなか、2日連続で救急車が無駄に呼ばれたことに眉をひそめる住民もいた。しかも2回目はパトカーや消防車まで駆けつけたという。