金子 あのころは……針のむしろだったね(笑)。

宮崎 そうだね。あり余る時間を子育てと家事に費やして、離乳食も手作りした。料理はお義母さんに一から教えてもらい、かなり腕が上がったので「私のレシピは娘に伝わらなかったけど、あなたにすべてを叩き込んだわ」と、お墨付きをもらっています(笑)。

金子 そうした経緯もあって、今も息子は私よりも父親にリスペクトや愛着を覚えているのを感じます。私の言うことは聞かないのに、パパの言うことは素直に聞くときがよくあるんですよね。ただ、私も'17年の総選挙で落選して政治家を引退してからは家族で過ごせる時間が増えて、より生活の中心が息子になりました。

プライベートな時間やスペースは大切に

─忙しいなかでも、家族のコミュニケーションを大切にされているのを感じます。

宮崎 要領のいいコミュニケーションが取れているのかもしれませんね。必要がなければ何時に帰ってくるかなんて聞かないし、「出張に行くなら何日間か」「困ったことがあったら電話する」くらいの確認しかしません。四六時中どこで何をしてるのか、誰と会っているのか、とか根掘り葉掘り聞くのはお互いしんどい……というか、家出するかも。

金子 私もプライベートな時間やスペースは大切にしたいほうなので、相手にも強要しません。「女性問題があったのにどうして許せるの?」と思っている方もいるかもしれませんが、当時からスケジュールのすり合わせは最低限。議員時代は特に過密スケジュールだったので、お互いにかまっていられない部分もありました。

宮崎 やっぱり人それぞれに“サイクル”があるので、極力その歯車を止めないようには意識している。子どもが最優先なのは変わりませんが、大人同士で調整できる歯車はなるべく止めずにストレスをためないように心がけています。

金子 そんなこと考えてたんだ! ありがたいなあ(笑)。

─お互いの時間を大切にしている金子&宮崎夫妻。特に宮崎さんは「程よく放置してくれることに感謝している」という。

宮崎 僕は放牧しておいてほしいんですよね。遠くのほうに柵があって、その中では自由にさせてもらいたい。それをしてくれるのが妻なんです。

金子 先ほどの話にも通じますが、やっぱり締めつけが厳しいと息苦しいし、反動も大きいので、適度な距離を保つのが円満の秘訣かもしれません。ただ、自由にさせすぎると勝手に柵を越えていってしまうので、ギリギリのところで手綱を引いています(笑)。

宮崎 うーん、もう少し目立つ色の柵にしておいてほしいな(笑)。

─自由度の調整は必要なんですね。金子さんが宮崎さんに感謝していることはありますか?

金子 今、まさに感謝してます。私はファッションや美容にかなり疎くてこだわりもないので、服が好きな彼にスタイリストをお願いしているんです。取材を受ける媒体や出演番組の時間帯、方向性を伝えると内容に適した服を選んでくれます。さらに、政治コメンテーターとして出演するときは、彼が永田町まで出向いてくれて最新の情報を仕入れてきてくれるんです。スタイリスト兼秘書を担ってくれています。