宮崎 大変なんですよ! 靴からアクセサリーまで選んでますから。

金子 私はもともとセンスがなくて本当にダサいんですよ。それから、私自身が気づかないうちに体力的に限界を迎えているときは、休みをねじ込んでマッサージの予約もしてくれる。夫は私よりも私に詳しいです。

彼は私と共に戦ってきた同志

─これまで金子さんが宮崎さんを引っ張っているような印象を持っていたのですが、金子さんには“頼る力”が備わっていたんですね。

金子 そうかもしれません。特にファッションは自信がない分野なので、服にリソースを割かずに済んで助かります。

 あ、でも彼に直してほしい部分がひとつありました。とにかく服が多すぎる! 1着買ったら1着手放してほしいです。異常な量のTシャツがクローゼットの中にしまってあって……。

宮崎 「Tシャツは一期一会」なんだよ。出会ってしまったら買うしかない。と、言いつつもスタメンで着るTシャツは限られていて、未着用のTシャツも大量に眠っています。でも、その瞬間しか出会えないからなあ。

金子 おまけに、私の母の家にまで彼の衣装ケースが置いてあるという(笑)。彼のセンスは認めるんですが、さすがになんとかしたほうがいいんじゃないかな(笑)。

─服で助けられつつも、悩みのタネになっているんですね。ちなみに、宮崎さんが金子さんに直してほしいところはありますか?

宮崎 枕を踏むクセですね。妻がベッドメイキングをしてくれるんですけど、あるとき自分の後頭部ではない凹みが枕に残されていたんです。そんなことが何度かあって、ある日ベッドにいる妻を観察していると、遠くにあるクッションを取ろうとして、膝で僕の枕を踏んだんです! すぐに現行犯逮捕しました。

金子 そんなに騒ぐことなのかなあ(笑)。私に悪気はないのに、同期の女性議員にまでその話をして悩み相談してたんです。

宮崎 悩んではいないけど、やっぱり面白い人だなあと思って(笑)。枕が邪魔なときはどけてください。

─日常の一コマもユーモアに転換する。その柔軟さもまた、家族円満の秘訣なのかもしれないですね。最後に“家族としての目標”を教えてください。

金子 いろいろありましたが、彼は私と共に戦ってきた同志。今は一緒にわが子の幸せを願っています。子育てはたとえ短い期間だとしても、今この瞬間がとても幸せなんですよね。私の夢は息子の夢が叶うこと。そのために働いています。

宮崎 親は、子どもに苦しまずに人生を歩んでほしい、と思いがちですよね。でも、僕自身は子どものころに絵を描くのが好きで「画家になりたいから絵画教室に通いたい」と親に言っても「画家は食べていけないから」と許してもらえなかったんです。息子には、僕と同じような悔しい思いはしてほしくないので、彼のやりたいことを全力で応援します。今は、息子の成長がいちばんの楽しみですね。

取材・構成/大貫未来(清談社) 

金子恵美(かねこ・めぐみ) 1978年、新潟県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、新潟放送勤務を経て'03年にミス日本関東代表に選出。'07年新潟市議会議員選挙に立候補し当選。'12年には衆議院議員に当選し、国政へ。38歳で長男出産後2か月で国会に復帰し、'16年には総務大臣政務官を担当。'19年に政治家を引退し、現在はコメンテーターとして活躍中。

宮崎謙介(みやざき・けんすけ) 1981年、東京都生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、生命保険会社や京都大学大学院非常勤講師を経て、'12年に衆議院議員に初当選。'15年に同じく衆議院議員の金子恵美さんと結婚し、2期務めたのち'16年に女性問題が発覚し辞職。現在は、30社を超える企業のコンサルティングや顧問を担っている。