目次
Page 1
ー 歯に衣着せぬトークを届ける和田秀樹
Page 2
ー 人気脚本家が明かす2つの顔
Page 3
ー いじめられっ子を救った母の教え ー 挫折続きの青年を魅了した映画
Page 4
ー 人気雑誌で磨いた要領の良さ
Page 5
ー 受験本が大ベストセラーに!
Page 6
ー 47歳で叶えた映画監督になる夢
Page 7
ー 離婚後に貫く節制しない生活

 

「恋せよ! オトナ、オトナ世代応援ラジオ~!」

 文化放送のスタジオに響くエコー付きのタイトルコール。だが次の瞬間、スタッフに笑いが広がる。力んだせいか声が裏返ってしまったのだ。「やっちゃったね」と照れ笑いする本人に、すぐさま録り直しが入り、今度は落ち着いたトーンで決めた。

 この番組の主役は「深夜のラジオ王」と自称する高齢者専門の精神科医で作家の和田秀樹さん(65)。'22年に刊行した『80歳の壁』(幻冬舎新書)は年間ベストセラー第1位を獲得。話題作を次々と世に送り出し、著書は950冊を超える。

歯に衣着せぬトークを届ける和田秀樹

『恋せよ!オトナオトナ世代応援ラジオ』(文化放送)の収録前リハーサルでも軽妙なトークが止まらない和田さん
『恋せよ!オトナオトナ世代応援ラジオ』(文化放送)の収録前リハーサルでも軽妙なトークが止まらない和田さん

 '24年4月に始まった当番組では、医療、政治、教育、ライフスタイルまで幅広く語り、50代以降のリスナーに向けて歯に衣着せぬトークを届けている。

 この日のテーマは「女性リーダーは女性の味方か!?」

 高市早苗氏の総裁就任時、女性たちからあまり歓迎されなかった背景を踏まえ、女性リーダーの理想像に鋭く迫る。

「今の女性リーダーは男性ウケを狙い、男の代弁者になっている人が多い。強い女性の味方にはなっても、非正規雇用や低賃金、シングルマザーなどの弱者には目が向いていない」

 本当に求められるのは「生活者の感性を持ち、人々のニーズに敏感で、優しい“おっかさん”みたいな人」。そして「強いもん勝ちじゃなく、弱者に寄り添える女性らしいリーダーだと思う」と熱を込める。

「女性が強くなったっていうけど、強くなったのは男らしい女」

 際どい発言にはフォローを挟むが、主張は弱めないのが和田スタイルだ。

「男らしいとか女らしいとか言うだけで差別発言といわれるけど、心理学上、人の心に厳然と存在すると思う。昔の女性リーダー、マザー・テレサとか、いつの時代でもすてきだと思いますけどね。高市さんは超タカ派ってイメージがあるけど、強い男にヘコヘコしないで“私はこれをやりたい”と言えるならすごい。でも、どうかな?」

 テンションが上がると放送ギリギリの表現まで飛び出し、ヒヤリとする場面も。

 番組を共に進行するアナウンサー・水谷加奈さん(57)は「和田さんのすごさは、私が1つ質問すると10倍の情報量で返してくれるところです!」と語る。

 番組には病気や老後の悩み、薬の相談も寄せられる。

「かかりつけのラジオのお医者さんみたいですね。イベントを開けば、和田さんファンのオトナ世代の女性が集まり、教祖様みたいですよ。言いにくいことをきちんと言ってくれる、そこに惹かれるんじゃないでしょうか」