お金が逃げるマイナス行動

 元銀行員・マネーのプロが指摘

1:使っていないサブスクをだらだら続けている

「50代、60代の女性が陥りがちなのが、スポーツクラブや生協など、たいして使っていないのに払い続けているケースです。入会特典につられて入ったものの、月に1回しか行かない、まだ使うタイミングがあるかもと、解約をしないでいるとだらだら出費に。

 また、“仕事で必要だから”と夫が新聞を取っているものの、実際はほとんど読んでいないという家庭もあります。便利だからと続けてしまいがちなサービスも、割高で活用しきれていないなら一度見直すこと。

 都度利用やネット情報に切り替えれば、無理なく固定費を減らせるはずです。動画配信サービスなど、なんとなく入ったサブスクもこれを機に見直しをしてみてください」(飯田さん、以下同)

2:“比較せず即決”でお金を使ってしまう

「“欲しい”と思ったその場で即決するのは、お金が貯まらない人に多い行動です。例えばお弁当箱ひとつとっても、よほどのこだわりがなければ、まずは100円ショップの300円商品などで代用できないか試してみるのも手。

 日用品も、AmazonなどのECサイトでセールのタイミングを狙ったり、都度買いよりまとめ買いが割安か比べてみたりと、少しの手間で出費を抑えることができます。比べて買う習慣を身につけてみて」

3:手数料に無頓着な生活を送っている

 気づかぬうちに払ってしまっているのが、ATMの手数料。自分の銀行のATMを使わずにコンビニで引き出したり、時間外に引き出したり……。1回110〜220円でも、何度も重なれば大きな出費に。

「貯まる人は、こうした小さな支出を自然と避けています。銀行員時代によく見たのは、通帳やカードをなくし再発行して何度も手数料を払っている人。同じ人が何度もなくしている印象でした。

 印鑑の再登録となれば、新しい印鑑を買いなおす費用もばかになりません。余裕のない暮らし方をしていると、こうした無駄な支出が積み重なり、お金は貯まりません。まずは1か月で必要な支出額を把握し、まとめて引き出す心がけを。地味ですが、こうした工夫の積み重ねこそが貯蓄につながります」

4:「節約=我慢」と思い込んでいる

「我慢する節約は長続きしません。おすすめは、節約を楽しんで、ごほうびを用意すること。節約を楽しむために、私は得するポイ活をゲーム感覚で楽しんでいます。歩いた歩数がPayPayのポイントになる『クラシルリワード』などのアプリで、現金としても使えるポイントを稼ぐんです。

 そして、前の月より支出を2000円抑えられたら、カフェで好きなものを頼んでゆっくりする時間をつくるなど自分にごほうびをあげます」

5:「お金がない」が口ぐせになっている

「『お金がない』が口ぐせになっている人は要注意。ネガティブな言葉は気持ちを下向きにさせ、浪費や衝動買いを招くこともあるからです。また、『お金がないから貯蓄ができないのは仕方ない』と思い込んでしまうと、思考も行動も止まりがちに。

 本当は節約できる部分があるのに、家計の見直しを後回しにしてしまうなど、悪循環に陥ります。まずはその口ぐせを封印して、『できることから始めてみる』のが、貯められる人への第一歩です」

飯田道子さん●ファイナンシャルプランナー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。約8年間の銀行勤務を経て、ファイナンシャルプランナー資格を取得。現在は、マネー誌への寄稿や個別相談、セミナー講師など幅広く活動中。
飯田道子さん●ファイナンシャルプランナー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。約8年間の銀行勤務を経て、ファイナンシャルプランナー資格を取得。現在は、マネー誌への寄稿や個別相談、セミナー講師など幅広く活動中。

教えてくれたのは……飯田道子さん●ファイナンシャルプランナー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。約8年間の銀行勤務を経て、ファイナンシャルプランナー資格を取得。現在は、マネー誌への寄稿や個別相談、セミナー講師など幅広く活動中。