脚本も、独演もできる1位

 1位はバカリズム(49歳)で、53票獲得。アンケートには、

「脚本ができるので自分の特色を出せている」(広島県・男性・65歳)

「『ブラッシュアップライフ』での役。良い意味でドラマの中でもバカリズム」(島根県・女性・35歳)

「脚本を書けるのがすごい。演技も自然で良い」(静岡県・女性・47歳)

「脚本も、独演もできる。ものの見方が多彩で、独自性もある」(北海道・男性・69歳)

 との声が。

「バカリズムの1位はおそらく脚本込みの評価。彼の能力は、構成力であり演出力。自分で自分に当て書きをしているから、やっぱりどれもバカリズムっぽい役になる。ほかの脚本でちゃんと芝居ができているかというと、事例がほとんどないのでなかなか評価しがたいけれど」

 と、宝泉さん。原作・脚本・主演を務めた『架空OL日記』('20年・日本テレビ系)で向田邦子賞を受賞。脚本・出演の『ブラッシュアップライフ』('23年・日本テレビ系)はXの世界トレンド第1位に。宝泉さんは、

「自分が書いているとはいえ、自分をいち役者と捉えてドラマの中に置き、バカリズムらしさを裏切らない演技ができる。純粋な演技派とは言い難いけれど、きっちり作品に仕立てているのは間違いない。コントを作って、それをドラマにできる。その第一人者」

芸人たちが重宝される理由とは

 ドラマや映画で役者と肩を並べて活躍する芸人たち。その役割を宝泉さんがこう話す。

「ドラマの制作陣にとっては、その芸人のイメージをお借りする感じ。実験的な作品をやるときや、いわゆる女優さんには頼めない役をお願いすることになる。今は役者の美男美女率が高くなってしまっていて、だから逆に芸人が重宝される。

 プラスアルファの存在として芸人が必要になる。例えるなら、うな重についてくる奈良漬。やっぱりそういうものがないと寂しいですからね」

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<取材・文/小野寺悦子>