ほしいのは「色気」!?

――そんな石津さんは、過去にも舞台『ハイスクール・ハイ・ライフ』で谷監督の作品に出演されています。あらためて、谷監督から学んだことはありますか?

石津 この作品で、自分の強みを見つけられた気がします。僕は、俳優ってイス取りゲームだと思っているんです。自分のイスをずっと探していたときに、振り切ってふざけた役を演じたことによって、「こっちの路線もあるわ」と気づきました。谷監督が僕の可能性を引き出してくれたことで、まだ空いているかもしれない自分のイスを見つけられました。今後も、もしチャンスがあればこういう役柄にもチャレンジしてみたいです。

――倉須さんは昨年にデビューされて、1年がたちましたね。

倉須 1年たって、自分がこの世界にいる意味に気づくことができました。1年前までは「デビューしてとりあえず有名になるぞ」とずっと思っていたんです。でも、今年に入ってからは、それよりも「誰か1人でも僕の演技を見ていい方向に変わってくれたらいいな」と思うようになりました。それが自分の芝居をする意味だと思い始めてからは、お芝居が楽しくなりましたし、自然とオーディションも通るようになってきました。今は、いろいろなことに挑戦して、もっと人の心を動かしたいです!

石津 めっちゃいい! やっぱりマインドが変わって、芝居にも変化が現れたのかな?

倉須 分かりませんが、なぜか著しく結果が変わりました。今、大学4年生で、3年生くらいから周りは就職活動をはじめて。デビューしたてのときは、「将来やっていけるのかな?」と不安がありました。でも、足を踏み入れた以上、そんなことを考えても仕方がない。誰かを感動させられるだけで、僕がいる意味になると思ったんです。それからは不安も感じなくなりました。

――石津さんは倉須さんにとって俳優の先輩にあたります。今の倉須さんに伝えたいことはありますか?

石津 彼は疑問に思ったことを疑問のままにして帰れない人。そういう素直な気持ちがある人は成長し続けると思います。周りの俳優さんを見ていても、常に自分に嘘をつかないでいる人のほうが、やっぱりいいお芝居をするんですよね。だから、洸くんもこのまま、変に大人になってほしくないなと思いました。

倉須 うれしいですね。僕的にはもう少し色気がほしいんですけど……。

石津 色気は……まあ……。

倉須 しゃべらなければいいかな?

石津 無理じゃん(笑)。

倉須 無理か(笑)。