斉藤から提出されない“領収書”

 しかし、この主張について、A氏は到底納得がいかないと話す。

「斉藤は、その日の売上がいくらあるかなど、間違いなく常に確認できるようになっているはずです。売上が把握できていないなんてことは、あり得ない。売上金の記録を変えることは基本できませんし、仕入れ先や代金も資料には正式な形で記載しています。水増し請求をしているなんてことは、まずあり得ません。資料を開示してほしいのであれば、いくらでも応じます。報酬は間違いなく、全額支払っています」

 また、斉藤との金銭のやり取りにおいて、事業に関わる不安材料があるとも。

販売会で記念撮影に応じた元ジャングルポケット斉藤慎二被告
販売会で記念撮影に応じた元ジャングルポケット斉藤慎二被告
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「斉藤に対して現金で手渡ししているお金もあるんですが、その領収書がいっさい貰えていないんです。領収書がないと経費として計上できないのですが、一向に提出してもらえず……。従業員との金銭のやり取りについて、斉藤が仮に経費の立替をお願いしていたとしても、その領収証は今も貰えていません。毎回、経費は領収書と引き換えることになっていますが、従業員に立替金を渡した事実はありません」

 トラブルの取材に応じた後、A氏は悲痛な胸の内を明かした。

もともと斉藤とは何度か食事の機会があって、ご家族ともお会いしていました。そんな中、ロケバスの事件があって。詳細は当人同士にしか分かりませんが、斉藤が涙ながらに相談してきたので、なんとかしてあげたいと思ったんです。

 バームクーヘンの販売は共同でやってきたのにも関わらず、仕入れ先と手を組んで勝手に事業を進めて……。私が許可するかどうかに関係なく、まず連絡をよこせよと。こちらとしては、斉藤たちがしていることは“信義則違反”に該当すると認識しています。

 今後、その辺りも盛り込んで差し止めを求めていきます。横領の件は刑事事件として引き続き警察に相談していきますし、バームクーヘンの事業に関わるほかの部分の金銭のやりとりに関しては、民事で協議を進めます。インスタグラムに掲載した声明文に記載したとおり、すべては警察と司法が判断すると思っています」

 真っ向から対立する、“報酬金”を巡る両者の主張。かつて手を組んだ際の信頼関係は、もはや跡形もなく崩れ去っていた――。