「相手国に歩み寄る姿勢」
他にも千葉さんが注目したのは愛子さまの感謝の表現。
「東日本大震災の時にラオス政府に助けていただいた経験や、震災時のご自身の心情を語られるなど、ご自身の経験に基づいた感謝の表現は、心からの感謝と誠実さが伝わり、非常に強い印象を残されたかと思います」(前出・千葉佳織さん、以下同)
現地の言葉での挨拶や、ラオスの象徴を比喩として使用された点にも注目が集まったが、千葉さんもここに注目したという。
「“悠久のメコン川”や“チャンパー”といった相手国の象徴を使った比喩は、ラオスへの敬意と入念な準備のあとを感じさせました。
また、挨拶だけでなく乾杯の音頭も現地語を使用されたことは、相手国に歩み寄る姿勢がみられましたね」
愛子さまが直前まで推敲されたという内容には、やはり多くの工夫を込められていたようだ。しかし、スピーチは内容以外に、所作にも注目が集まるが、愛子さまは場の雰囲気をよく汲まれた話し方をされていたという。
「皇室の方々のスピーチは、表情が豊かで会話の合間の余計なつなぎ言葉がないため非常に聞きやすいのですが、愛子さまも同様でした。聞いているときの優しい笑顔、話し始めるときの明るい笑顔など、笑顔の種類が豊富で、笑顔を長時間維持する柔らかい姿も拝見することができました。
そして、通訳の方が話す間も、目線を上げて柔らかく微笑み、場を温かく保っておられました。“話していない時間の使い方”が非常にお上手だという印象をうけました」
無事に海外訪問デビューを果たされた愛子さま。ご自身の文章力と表現力で両国の架け橋の一歩目を力強く踏み出したようだ――。
話し方トレーニング「kaeka」代表・千葉佳織
15歳から弁論を始め、全国弁論大会4度優勝。そのうち、内閣総理大臣賞、文部科学大臣杯を受賞。慶應義塾大学卒業後、企業の人事部を経て、2019年株式会社カエカを設立。話し方トレーニングサービス「kaeka」の運営を行い、経営者、政治家、社会人の話す力を数値化し、話し方を改善するサービスをこれまで7,000人以上に提供している。2023年、東洋経済新報社「すごいベンチャー100」、Forbes JAPAN「次代を担う新星たち 2024年注目の日本発スタートアップ100選」に選出。著書に『話し方の戦略』
15歳から弁論を始め、全国弁論大会4度優勝。そのうち、内閣総理大臣賞、文部科学大臣杯を受賞。慶應義塾大学卒業後、企業の人事部を経て、2019年株式会社カエカを設立。話し方トレーニングサービス「kaeka」の運営を行い、経営者、政治家、社会人の話す力を数値化し、話し方を改善するサービスをこれまで7,000人以上に提供している。2023年、東洋経済新報社「すごいベンチャー100」、Forbes JAPAN「次代を担う新星たち 2024年注目の日本発スタートアップ100選」に選出。著書に『話し方の戦略』











