オフレコ取材
「オフレコ取材は、情報の出所を秘匿することでより深い真実に迫るための『取材ツール』ですが、それは記者と取材対象者の信頼関係の上に成り立っています。 今回のケースで言えば、確かに『官邸幹部の核武装論』はニュースバリューが高いです。しかし、それが具体的な政策変更に向けた動きを伴うものではなく、単なる放言や個人的な感想のレベルであったならば、オフレコを破ってまで報じる『公益性』が勝るかどうかは議論の余地があると思います」
日本新聞協会編集委員会は、オフレコについて「ニュースソース側と取材記者側が相互に確認し、納得したうえで、外部に漏らさないことなど、一定の条件のもとに情報の提供を受ける取材方法」と定義している。その上で「その約束には破られてはならない道義的責任がある」としつつ、「乱用されてはならず、ニュースソース側に不当な選択権を与え、国民の知る権利を制約・制限する結果を招く安易なオフレコ取材は厳に慎むべき」との見解を示している。
国民の反応を見ても「こうした発信によって日中関係がさらに悪化したら、官邸筋の責任ではなく報道したメディアの責任ではないかと思う」といった意見も散見された。
19日午前、木原官房長官は記者会見で核兵器に対する政府の立場に「非核三原則を政策上の方針として堅持している。核兵器のない世界の実現に向け、現実的かつ実践的な取り組みを進めていく」と主張。さらに公明党の斉藤代表は国会内で記者団に「被爆80年の節目の年に官邸幹部から発言が出たことに驚きと怒りを感じている」と批判。
非核三原則を国是としてきた日本で、政権中枢からこうした発言が出たことの意味と、それがどのような経緯で報道されるべきだったのか。今後も議論が続きそうだーー。











