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ー 遅咲きの仲野太賀
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ー 大河に主演しそうな俳優

 

 菅田将暉、竹内涼真、神木隆之介…、今の人気若手俳優を代表するようなメンバーだが、 彼らには共通点がある。それは1993年生まれであること。さらにいうと福士蒼汰、成田凌、間宮祥太朗、竜星涼、そして仲野太賀、彼らも全員93年生まれなのだ。

 そして全員が、連ドラの主演経験がある。これほど主演俳優を輩出する年も珍しく、ちょっと表現は古いが「花の93年組」という言葉がふさわしい。この錚々たるメンバーの中からトップで大河ドラマの主演に到達したのが『豊臣兄弟!』の仲野太賀だ。

遅咲きの仲野太賀

仲野太賀
仲野太賀

 神木は5歳の時に出演した『グッドニュース』以来ずっと活躍し、菅田が22歳で『ちゃんぽん食べたか』や『民王』に主演して脚光を浴びたのに比べると、仲野は遅咲きだ。デビューこそ13歳と早かったが端役が多く、20歳を過ぎても売れない時期が続いた。世の中的に認知されたのは、2016年の『ゆとりですがなにか』だろう。主演の岡田将生を悩ませるモンスター後輩社員役で、その憎々しい名演で、「あの俳優は誰だ?」と思わせた。

 以後は『仰げば尊し』や『今日から俺は!!』などの個性的な役柄が続き、2020年に深夜ドラマ『あのコの夢を見たんです。』に山里亮太役で主演。21年『コントが始まる』では菅田、神木と3人でコントトリオを演じ、先行していた2人に追いついた。その後も『拾われた男』『初恋の悪魔』『ジャパニーズスタイル』『新宿野戦病院』と主演作を重ね、ついに大河ドラマの主演俳優にたどり着いたわけだ。

 仲野の魅力は何といっても、人懐こそうな人間味だろう。観ている人に安心感を与えるし、演じる役柄にも血が通って見える。ことに大河ドラマは、一人の人間の一生を約50回にわたって演じるため、人間臭さをさらけ出せるような俳優でないと成立しない。その点、仲野はうってつけといえよう。

 見た目のきれいさよりも人間的魅力が求められることが俳優の世界でもあり、女優でいえば伊藤沙莉がそうで、考えてみれば『虎に翼』の伊藤と仲野の夫婦は、短期間ではあったが絶妙なキャスティングだった。

 加えて父親が俳優の中野英雄でありながら、当初はそれを公表していなかったことなど、自身に物語があるのもNHK好みかもしれない。『いだてん』や『拾われた男』『虎に翼』とNHKでの実績を重ねて、満を持しての『豊臣兄弟!』。歴史上の主役となった豊臣秀吉でなく、その弟の秀長にどう血を通わせていくのか、仲野の力の見せ所だ。