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ー 急拡大するノンアル市場

 忘年会や正月など、家族や親戚が集まってお酒を飲む機会が増える年末年始。お酒を飲めない人の心強い味方となっているのがノンアルコール飲料だ。しかし、もし隣にいる子どもが「それ、おいしそう。一口ちょうだい!」と言い出したら、あなたはどう答えるだろうか。

急拡大するノンアル市場

 ノンアルコール(以下、ノンアル)市場は、ここ10年で約2倍に成長し、過去最高を更新し続けている。

「以前は『運転があるから仕方なく飲む代用品』でしたが、今は健康志向やあえて飲まないスタイルが定着。サントリーが2025年に『ノンアル部』を新設して年間50億円規模の投資を行うなど、メーカー各社も主力ブランドのノンアル化に力を入れています。技術向上により、見た目も味もお酒と見分けがつかないほど進化しました」(全国紙社会部記者、以下同)

 そんな中、SNS上ではノンアルと子どもの関係について、こんな不安の声も散見される。

《ノンアルコールって多くの場合アルコール1%未満なだけでアルコール自体は含まれてますよ なので子供に関わらずアレルギーがある人は飲まない方がいいです》

 たしかに以前は、「ノンアルなのにアルコールが入っている」という状況があったという。

「日本の酒税法では『アルコール分1%以上』をお酒と定義しています。そのため、1%未満であれば、微量に含まれていても『ノンアルコール』と表示して販売することがルール上可能だったのです。ですが、2003年に公正取引委員会が、少量のアルコールを含むのにノンアルコール飲料と表示するのは消費者に誤解を与あたえるとして、“適正な表示”を求めたため、現在は『0.00%』と明記された、完全にアルコールを含まない製品が主流となりました」

 では、法律上も数値上も「0.00%」であれば、子どもに飲ませてもいいのだろうか。

「ノンアルコール飲料は、外観、味、香りなどを酒類に似せていることから、子どもがそれらを飲むことで酒類を飲むきっかけになり得ることが懸念されています」(アルコール健康医学協会、以下同)

 お酒へのハードルを低くしてしまうため、業界側もこうした懸念を認識していて、以下の対応をとっているという。

「ノンアルコール飲料の容器には、『20歳以上の方の飲用を想定して開発した商品』と、20歳以上を対象としている旨を表示しており、さらに、アルコール飲料と同様に区別陳列して、年齢確認の上、販売するようになっています」

 “アルコール0%”のノンアル飲料は、法律の面からいえば問題ないが、上記の理由からなるべく飲ませないほうがいいのだ。年末年始、子どもとはこれまでどおり、ジュースで乾杯するのが親としての正しいマナーと言えそうだ。