東京アプリの課題

「最大1万1000円相当という、自治体のポイント施策としては異例の規模です。単なる物価高対策としてだけでなく、東京都が進める行政のDXの基盤づくりという側面もあるでしょう。東京アプリは将来的に住民票の取得や各種申請、災害情報の確認など行政サービスを一元化する構想を持っています。

 ただし、スマホやマイナンバーカードを持たない層、あるいはデジタル機器の操作に不慣れな方が置き去りにされるリスクは否定できません。物価高で最も苦しんでいるのはその層であることも多く、全都民への支援という観点からは課題が残ります」(全国紙社会部記者)

 産経新聞傘下のメディア『emogram』が実施した感情分析調査でも、都民の意見は「肯定的」と「懐疑的・批判的」に二分されている結果が示された(emogram、2025年11月19日)。

「たかが1万、されど1万。都ファ・自公、そして小池都知事、こういうところが侮れない」という評価がある一方で、「最も重要なのは持続可能な『賃上げ』です」「都は周辺県民から金吸い取りまくり、金余って仕方ないんだな」といった批判的意見も寄せられており、一時的な「ばらまき」よりも根本的な経済対策を求める声は根強い。

 なお、14歳以下の子どもは今回のポイント付与の対象外となっているが、対象外の子どもにも東京都は子育て世帯を支援するため、同額を支給する方針を発表している。

 物価高対策として、そして行政DXの推進策として始まった「東京アプリ生活応援事業」。都民に1万1000円相当の恩恵をもたらす一方で、デジタル格差や政策の本質的な効果については議論が続きそうだ─。