高額療養費の見直しが段階的に行われる
「支払いに上限があるならひとまず安心」と思いきや、国の医療費が膨れ上がる今、高額療養費や高額介護サービス費の見直しが図られている。高額療養費制度の見直しを巡る国会での紛糾も記憶に新しい。
「高額療養費は、2026年8月と2027年8月の2段階で引き上げられる方向です。まず、年収に応じて月額上限は7~38%の引き上げになります。年収約370万~770万円の層は、約8万円から約8万6000円に負担が増えるとされています。
また2027年8月には、所得区分が現行の4区分から13区分に細分化されて、高所得者層の負担が増える見込みです。
高額介護サービス費についても、すでに高所得者の上限額は引き上げられていますし、施設利用費の負担も増えています。今後、さらに自己負担割合の引き上げや、自己負担限度額と所得区分の見直しが続く可能性はあります」
来たる負担増に備えて、自分で安心を確保しておくことが大事、と山田先生は声を強める。
国民健康保険だと傷病手当金の支給なし
病気になったときのもう一つの心配。「収入が減ったらどうするか」を解消する制度として、傷病手当金がある。
「病気やケガで連続して3日休んだときに、4日目以降から月収の約3分の2が健康保険から支払われます。加入する健康保険によっては上乗せ給付、会社によっては福利厚生として所得補償制度を設けているところもあります」
注意点は、傷病手当金がもらえるのは、職場の健康保険に加入している人のみということ。国民健康保険加入の人はもらえない。
「まず自分の加入する健康保険の制度を知って、いざ病気になったら、どれぐらい補償してもらえるのかを事前に調べておくことが大切です。
また医療内容は自分で選べますから、入院したら大部屋でいいのか、個室がいいのかなど、そこまで考えたうえで、必要であれば、民間の保険の加入を検討しましょう。保障の手厚い大手企業の人や貯金がたくさんある人は不要かもしれませんが、自営業の人や蓄えが心もとない人は加入しておくと安心です」
保険に入っている人は、病気になったら病気のことだけを考えられるが、そうでない人は、まずお金のことを考えるという。
「治療に専念するためにも、保険に加入して、お金のリスクは減らしておいたほうがよいでしょう。特にがんのように継続的にお金がかかる病気は、保険の必要性が増すようです。私の周りで、がんになって、がん保険に入っていた人は半分ぐらい。
保険に入っていなかった人は、口をそろえて『入っておけばよかった』と言います。がんになってつらいときに、お金が出ていくのと入ってくるのとでは、心持ちが違いますから。最近は、がんになっても加入できる保険商品も人気です」

















