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ー 中道の総括は「“推し活”に負けた」

 

 衆院選の総括で「推し活選挙」という表現が飛び交っている。

中道の総括は「“推し活”に負けた」

「“推し活”とはアイドルや著名人のほかネット上のインフルエンサーなど自分にとっての“推し”の人を応援する活動を意味します。ライブ参加やグッズの購入のほか、SNSを通して“推し”を広める行為なども該当します。今回の選挙は自民党が勝ったというより、高市早苗首相を“推し”たい人が目立ったとも言われていますね」(スポーツ紙記者)

 SNSでの支持や拡散力、若者の共感が投票行動につながった――そんな文脈で使われる言葉だが、そのレッテル貼りに「待った」をかけた人物がいた。2月18日放送の『ABEMA Prime』で、日本若者会議理事の佐々木悠翔氏が異議を唱えたのだ。

 きっかけは、2月16日に中道改革連合前共同代表の野田佳彦氏がX(旧Twitter)に投稿した一文だった。

《自民党にガチンコ勝負で負けたという実感はありません。高市総理への期待感だけの“推し活”のようなイメージ論に、選挙戦全体が支配されてしまったように思います》

 敗因を“推し活的熱狂”に求める内容だったが、佐々木氏は番組内で「高市政権では“実行力”や“政策への期待”が支持理由の上位を占めています」と指摘し、「一方で石破政権や岸田政権では、“他より良さそう”“人柄が信頼できる”といった消極的・情緒的理由が上位でした。実行力や政策で支持しているなら、それは“推し活”ではないのではないでしょうか」と背景を解説している。

 これにはネット上で《佐々木くんまとも》《佐々木悠翔面白い人選。スタッフGJ》といった声が聞かれる。

 佐々木氏の主張には妥当性があると指摘するのは政治ジャーナリストだ。

「2026年1月13日に実施されたNHKの世論調査では高市政権の支持率は62%であり、支持する理由は“実行力がある”が33%ともっとも多くなっています。2024年12月9日に実施された石破政権の世論調査では、支持率38%に対しもっとも大きな理由は“人柄が信頼できる”の33%でした。むしろ“推し”は石破さんの方が強かったのです。数字が示すのは、『高市支持=イメージ先行』という単純な構図ではないという現実です

 さらに佐々木氏は、今回の選挙戦で自民党が街頭演説などを通じ、野党よりも詳細かつ粘り強く政策を訴えていた点にも言及し、「敗因を“推し活選挙だった”と整理するのではなく、なぜ現役世代に響かなかったのかを分析すべき」と主張している。

 この発言に、番組で共演していた実業家のひろゆき氏も苦笑いを浮かべながら「中道は、経済の議論の土台にすらなっていない。そのズレがわかっていないのがすごい。“私たちならできる”と思っている、その現実離れが問題なんじゃないですかね」と語り、大きくうなずいていた。

 敗北を“推し活”という言葉で整理するのは簡単だ。しかし、数字と向き合い、支持の理由を冷静に分解する作業は決して楽ではない。今回の論争が突きつけたのは、選挙結果そのもの以上に、政治側の“総括力”が試されているという事実なのかもしれない。