「こんどはあなたが―」コーチから受け継がれる思い
二人はその後のフリーで挽回し、見事金メダルを獲得。有言実行で個人戦でもバトンを繋いだ。
また、五輪初出場の後輩二人にとっては、頼れるリーダー的存在でもあった。日本代表として行動をともにしてきた坂本、中井、千葉の3人は、一緒に選手村を散歩するなど「どこか行くときは基本3人」と語るほど固い絆で結ばれていた。
坂本の滑りを目に焼き付けたという千葉はこう語った。
「ずっと感動しながら見てたというか、こういう忘れられないスケーターになりたいなって思いました」
先輩の背中が、若い選手の心に大きな希望を灯したようだ。
ともに表彰台に上った中井も「同じ表彰台に乗るっていうのは最初で最後だと思っているので、今回こうやって一緒に表彰台に乗れたことがすごくうれしいです」と、深いリスペクトの念をにじませた。
そんな坂本と21年間ともに歩み続けてきた中野園子コーチは、フリー演技終了後、悔し涙を流す坂本にこう言葉をかけた。
「あたなが銀になったから、今度はあなたが五輪の金メダリストを育ててあげなさい」
キャリアを糧にして、次は指導者としても大舞台を目指す。中野コーチから新たな使命が託された瞬間だった。
仲間から坂本花織に贈られた名言たちは、彼女がこのオリンピックで残した功績の大きさを物語っている。これからも“やかましい太陽”としてフィギュアスケート界を明るく照らし続けてくれるに違いない。

















