若元春の立ち会い時の変化には辛辣声
一方で、若元春の立ち合い時の変化に対してファンからは厳しい声が寄せられた。《明らかに若元春の変化数が多い》《苦肉の策とはいえ初日から変化は無いわ》《立ち会いずらされ、2回目は素早く手をついてからの変化とか姑息なやり方に正々堂々と勝ってて最高》といった見方もあったようだ。
若元春自身も取組後「土俵で考えてしまった。自分の選択、間合いなど、良くないところを重ねてしまった」と反省の弁を述べているが、静まり返った中の一部観客の声援が影響したのだろうか。
「土俵上の立ち合い直前の力士は、かなり集中しているので観客の声は“耳に入らない”という力士がほとんどです。でも少しでも集中力が欠けていたり、人によっては耳に入る人もいるかもしれません。ただ、あまりにも突飛な応援や変に甲高い声などで呼吸を乱されることはあるかもしれません」(同前)
NHKでテレビ解説を務めた元小結・舞の海秀平氏(58)は安青錦の強さについて「お客さんの拍手が拍手喝采じゃないんですよね。勝負がついて一時してから静かにだんだん強くなっていく拍手なんですよね。何なんだ『この強さは』という、そういう思いでお客さん見てるんじゃないかなと思いますね」と指摘し、綱取りへ向けた大関の闘いぶりを称えた。
初日の横綱・大関陣の結果を振り返ると、横綱・豊昇龍(26=立浪)は新小結・熱海富士(23=伊勢ヶ濱)を相手に苦戦しながらも押し出しで白星。
しかし、横綱・大の里(25=二所ノ関)は前頭筆頭・若隆景(31=荒汐)に押し出され、横綱昇進後初の初日黒星を喫した。立ち合いで手突きを狙ったが突き放せず、下から食いつかれて苦し紛れに引いたところを出られた形だ。
大関・琴櫻(28=佐渡ケ嶽)は義ノ富士(24=伊勢ヶ濱)を上手投げで下し、白星発進を決めている。
マナー違反への批判と上位陣の立ち合いの変化への賛否が入り混じる中、安青錦は「いいスタートを切った。このまま行けたら」と穏やかに語った。初土俵から所要16場所での横綱昇進となれば、年6場所制となった1958年以降で最速記録となる。綱取りへの道は始まったばかりだが、21歳の大関はその重圧をものともしない姿勢を見せている─。

















