制作関係者の複雑な思い

「もちろん、主題歌が注目されるのは大変ありがたいことです。実際、脚本や作品モチーフをもとに楽曲制作していただいたということもあり、ドラマの空気感に合った優しい楽曲になっています。

 ただ、主題歌への注目度があまりに高すぎて、肝心のドラマ本編やダブル主演のお2人の話題が食われてしまうのではないか、という懸念もあります」(NHK関係者)

 Mrs. GREEN APPLEといえば、現在日本で最も勢いがあると言っても過言ではない。令和を代表するトップバンドだ。
 
 史上初のストリーミング総再生100億回突破、バンドでは初となる2年連続のレコード大賞受賞、ロックバンドとしては約13年半ぶりの快挙となるベストアルバム『10』のミリオン突破など。挙げればキリがないほど前人未到の記録を次々と打ち立てている。

 また、ファン層の厚さも特筆すべき点だ。

「バンドというと、学生を中心とした若者に人気があるイメージが一般的ではないでしょうか。しかし、“ミセス”は違います。楽曲の幅が広く、疾走感ある青春ソングから大人世代にも響く成熟した音楽性の強いものまで多彩。

 SNSでの人気はもちろん、地上波メディアへの露出も多いので、一般層の認知度も高いです。ライブへ行っても、親子連れや若年層、40~50代の中年層まで、老若男女問わずかなり幅広いファン層であることがわかります」(音楽誌ライター)

 つまり、朝ドラを見ない層にもリーチできる一方で、主題歌の話題が先行してしまうという“嬉しい悲鳴”も生まれているというわけだ。

「『風、薫る』は、まだ女性の職業が確立されていなかった明治という激動の時代に、看護の世界に飛び込んだ2人の女性の生き様を描いた、非常に骨太な作品なんです。たとえ主題歌目当てで見始めたとしても、最後までドラマを見ていただけるのが理想です。

 朝ドラファンの方々にはもちろん、JAM'Sの皆さんにもぜひドラマ本編も楽しんでいただきたいです。主題歌と本編が調和して、作品全体が多くの方に愛されることを願っています」(前出、NHK関係者)

 3月30日の放送開始まで、あとわずか。懸念はありつつも、朝ドラに新たな風を起こしていることは間違いないだろう。この風が『風、薫る』にとって追い風となるか? 今から放送が楽しみでならない。