お見合いの5日後に結婚をした、水木しげる夫妻の波瀾万丈な半生をドラマ化した『ゲゲゲの女房』('10年)が2位に。

 松下奈緒演じる妻・布美枝の視点でドラマが進むため、水木さんをモデルにした売れない漫画家・村井茂(向井理)の幼少期や第2次世界大戦時などの描写は比較的少ない。

流行語を生んだあの作品がダントツの1位

 そのため「手塚治虫先生など、ほかのレジェンド漫画家との交流も見たい」(神奈川県・67歳・男性)、「鳥取出身の祖父が出征時の同期に水木しげる先生がいたと話していた。以来、水木しげる先生は自分の中では身近な存在。水木作品も大好きなので、先生の幼少期のエピソードも見たい」(三重県・35歳・女性)など、彼の人生にまつわるスピンオフを切望する意見が票につながった。

 そして、ダントツの1位に輝いたのは、『あまちゃん』('13年)。東京から岩手県北三陸市(架空の市)に引っ越してきた高校生・天野アキ(のん)が、祖母の影響で海女の世界に飛び込んだり、東京でアイドルを目指したり……と、脚本を務めた宮藤官九郎節がきいた予想外の展開に、多くの視聴者が釘づけになった。

2013年度前期放送のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』 
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 エスムラルダさんも「『あまちゃん』なら、どんなスピンオフも続編も作れそう」と太鼓判を押す。

『あまちゃん』は、主役のアキもさることながら、脇を固めるキャラクターが本当に魅力的でしたよね。どの人物を掘り下げても面白いでしょうし、彼らのその後も見てみたい。脚本家としても、続編やスピンオフが作りやすい設定です。放送後にいろいろありましたが、それを経たから今の『あまちゃん』は、すごみがあるでしょうね

 アンケートコメントにも「現在の三陸の状況と、それぞれの今を見たい」(東京都・40歳・女性)や「震災から15年。のんちゃんもようやくテレビで見かけるようになったので、今現在のスピンオフドラマを希望」(大阪府・56歳・男性)「アキがさらに有名になって、芸名を変えるストーリーが見たい」(長崎県・53歳・男性)など『あまちゃん』出演後に、のんがたどった人生のドラマ化を望む声もチラホラ。

続編を見たい朝ドラランキング
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 実現すれば、かなり攻めた内容になりそうだ。

『あまちゃん』本編も、朝ドラのギリギリを攻めた作品でした。'13年に東日本大震災を描くのは、宮藤官九郎さんはもちろん、NHKとしても相当な覚悟が必要だったはず。そうした姿勢と丁寧な作品作りが、今もなお愛される理由のひとつなのかもしれません。『虎に翼』の映画も、朝ドラではできなかった踏み込んだ表現に挑戦すれば、さらに多くの人の記憶に残る作品になるかもしれませんね」(エスムラルダさん)

 半年間、朝の15分を彩り、見る者の感情を揺さぶる朝ドラ。視聴者が「続きを見たい」と感じるのも、良作の条件といえそうだ。

取材・文/とみたまゆり

エスムラルダ 1972年、大阪府生まれ。一橋大学社会学部卒業。脚本家、ライター、ドラァグクイーン、歌手ユニット「八方不美人」メンバーとしてイベントや舞台公演、メディアで活躍