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ー 大谷翔平らを納得させる“指揮官の資質”とは

 WBCでの激闘を終えた侍ジャパンだが、早くも次期監督人事を巡る議論が白熱している。球界のレジェンドたちがYouTubeなどで提言を続ける中、現場を知る者だからこそ語れる「指揮官の資質」が浮き彫りになってきた。

大谷翔平らを納得させる“指揮官の資質”とは

 WBC準々決勝でベネズエラに屈した侍ジャパン。井端弘和監督の進退を含め、2028年のロス五輪や2029年と目される次回大会を見据えた動きが加速している。そんな中、元ヤクルトの宮本慎也氏が3月21日、巨人OB高橋尚成氏のYouTubeチャンネルに出演。次期監督に求められる「2つの絶対条件」を提示し、ファンの間で大きな反響を呼んでいる。

 宮本氏が挙げた1つ目の条件は、スター軍団を統率できる「圧倒的な実績」だ。今の代表は、大谷翔平をはじめとするメジャーリーガーたちが監督より“ビッグすぎる”と指摘しつつ、宮本氏は「選手たちのほうが上みたいな感じだとしんどいと思う」との持論を披露。

 仮に自身が監督に就任すれば、今の選手たちからは「ちょっと守備がよくてバントをちょこちょこやってたヤツだろう」と軽視されると語り、それを踏まえたうえで同世代であればイチロー氏や松井秀喜氏のようなビッグネームでなければ、今のメジャー勢を納得させられないのではないかと主張。

「これはサッカー日本代表の森保一監督にも通じる悩みで、選手がスターになればなるほど、指揮官には相応の“格”が求められる。付け加えるならば、世界の大舞台では“華”も必要かもしれません。過去の優勝チームを率いた王貞治氏や原辰徳氏がそのいい例でしょう。宮本氏も指摘していたように、もはや世界を相手にスモールベースボールは通用しない。小細工が得意な監督よりも、選手たちからリスペクトされ、ベンチでオーラを放つスター監督は確かにひとつの選択肢だと思います」(スポーツ紙記者、以下同)

 そして2つ目の条件が「監督としての確固たる実績」だ。宮本氏は、国際大会という短期決戦においては「場数の少なさ」が命取りになると分析している。実際、NPBで日本一を達成した監督経験者がWBCを制しているという現実がある。2006年の王氏はダイエーで2度の日本一、2009年の原氏は巨人で日本一を経験した後に優勝。2023年の栗山秀樹氏も日本ハムでの日本一経験があった。対して、ベスト4に終わった2013年の山本浩二氏は広島で日本一経験がなく、2017年当時の小久保裕紀氏や今回の井端監督はNPBでの監督経験がなかった。

「この法則を当てはめると、次期候補は自ずと絞られてきます。今大会では近藤健介の大スランプや鈴木誠也の負傷がありましたが、こうした不測の事態に迷いなく手を打てるのは、やはり監督として修羅場をくぐり抜けた経験が必須。宮本氏も次期監督候補に工藤公康氏や栗山氏の再登板を推していました。また、野球解説者の高木豊氏も22日に更新した自身のチャンネルで監督経験者からは岡田彰布氏や原氏をプッシュ。さらにイチロー、松井に加えてメジャー経験のある日本ハムの新庄剛志監督の名前を挙げていましたが、宮本氏と同じ理由でしょう」

 ネット上でも、次期監督選びについて「結局、日本一を経験している監督じゃないと短期決戦の勝負勘が足りないのは歴史が証明している」「大谷選手との関係性から栗山さんの再登板も現実的」など、熱を帯びた議論が飛び交っている。

 次期監督となるのは、球界を象徴するレジェンドか、それとも百戦錬磨の知将か。侍ジャパンの再建に向けたカウントダウンはすでに始まっている。