新・スネイプを受け入れがたいという意見は後を絶たない

 映画版ではアラン・リックマンが演じたスネイプ。黒いローブに身を包み、油っぽい黒髪、鉤鼻、冷たさを帯びた青白い顔といった陰気で謎めいた雰囲気こそが、多くの人が思い描くスネイプの姿だった。そのため、新・スネイプを受け入れがたいという意見は後を絶たない。

 また、原作に忠実ではないという点も批判の一因のようだ。

「原作のスネイプは“土気色の顔”と表されることもありました。この“土気色”というのは、生気のなさや不健康さを強調する表現であり、肌の色を意味するものではありません。また、映画版では黒人としてキングズリー・シャックルボルトが登場しますが、彼は原作ではっきりと黒人であることが明記されています」(前出、映画ライター)
 
 さらに、別の懸念もある。スネイプは学生時代、ハリーの父親であるジェームズ・ポッターにいじめられているという設定がある。ジェームズとスネイプの確執を描く、映画でも登場した大事なシーンだ。しかし、白人のジェームズが黒人のスネイプをいじめるという構図に見える可能性は無視できない。現代社会においては極めてセンシティブな誤解を招きかねず、本来のストーリーとは別の解釈をされてしまう危険性をはらんでいる。

 こうしたキャスティングを巡る賛否や議論の過熱化を受け、一部の過激なファンからエッシードゥ宛に殺害予告まで届いていることが問題となっている。

「エッシードゥは英国『タイムズ』紙の取材で『降板しなければ殺す、お前の家に行って殺してやる』といった殺害予告が自身のSNSに届き、直接的な脅迫を受けたと明かしたこともあります。制作陣も事態を重く受け止め、撮影現場に厳重なセキュリティーチームを配置しているとか」(前出、映画ライター)

 エッシードゥは、名門ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで史上初めて黒人俳優として『ハムレット』を演じた人物だ。これまでも固定観念を覆す名演技を見せてきた。そのキャリアを踏まえれば、彼が新たなスネイプ像を提示する可能性も十分にあるだろう。

 2026年クリスマスに配信開始予定のドラマ版『ハリー・ポッターと賢者の石』。心無い声に打ち勝ち、新生スネイプとしてこの論争に終止符を打ってくれることを期待したい。