皇室典範の改正においても世論が欠かせない

 結局、小川氏は発言の撤回に追い込まれたが、鈴木准教授は今回の騒動には今の空気感がよく表れているとして、こう指摘する。

小川代表個人の意見というより、“愛子天皇を求める世論”を政治家として肌で感じ取った結果でしょう。正直、今回の発言が政治的に強い影響を与えられるとは思えませんが、公式には口にはできない永田町のタブーを突いたという意味で、インパクトはありました。

 ただ、問題なのは皇位継承の議論が“愛子さまは立派だから”という属人的な話にすり替わっている点です。もし愛子さまがこれほど国民の期待に応えることができる存在でなかったら、こういった声は上がらなかったはず。制度論が個人の資質に左右される現在の状況は、危ういと言わざるを得ません

 皇族数の減少に関する協議が行われるのは1年ぶりとなるが、より明確な結論を出すためには“世論”の存在が不可欠だという。

日本は民主主義国家なので、皇室典範の改正においても世論が欠かせません。しかし、“その世論をどう捉えるか”という問題が非常に重要になってきます」(鈴木准教授、以下同)

 各メディアが行う世論調査では、いずれも女性天皇を支持する声は過半数を大きく超えている。

「一方で、直近の衆議院選挙では自民党が圧勝したわけです。もちろん、自民党を支持していても“皇室典範に関しては自民党の考え(男系維持)を支持しない”という有権者もいるはずですが、それを言い出したら選挙の意味がなくなってしまいます。政治の世界において、世論=自民党を支持したという点で見れば、“男系男子の維持”が世論とされてしまうのでしょう」

 皇位継承について注目が集まる一方、4月15日からの協議の主眼は「皇族数減少」への対策だ。

「これまで“女性皇族が婚姻後も皇室に残る案”と“旧宮家の男系男子を養子に迎える案”の2案が話し合われてきました。国民民主党の玉木雄一郎代表は3月31日の記者会見にて、女性皇族の年齢も鑑みて、前者の案を速やかに実現するよう求める発言をしています」(前出・皇室担当記者)