ゴールデンウィークが近づき、山のレジャーやキャンプに向かう動きも本格化。そこで気になるのが「クマの出没」だろう。
目撃情報は各地で出始めており、21日には岩手県紫波町山屋の沢で警官がクマに襲われ大けが、周辺にはクマに襲われたとみられる遺体が見つかった。
「空腹だから攻撃」ではない
この時季のクマの動きには、実はある程度の“順番”がある。森林総合研究所・野生動物研究領域の中下留美子氏によれば、冬眠明けはオスから動き始め、その後に単独のメス、1歳の子を連れたメス、そしてその年に生まれた子グマを連れたメスへと、徐々に活動が広がっていくという。
「“冬眠明けは空腹で危険なのでは”と感じる人もいるかもしれませんが、実際には少し違います。山には新芽や山菜といった食べ物が豊富にあり、越冬中に死亡したシカなどを利用することもあるため、基本的には山中で採食しながら過ごしています。空腹そのものが攻撃性に直結するわけではないのですが、人と至近距離で突然出会ってしまえば、防御的な反応として攻撃行動が出ることはあります」(中下氏、以下同)
特に子グマを連れたメスはその母性本能の強さから警戒されやすい存在だが、常に攻撃的というわけではなく、多くの母グマは人の気配を察すると身を隠してやり過ごそうとする。また、この時期は子グマの行動範囲がまだ狭いため、母グマは「冬眠穴」の周辺にとどまることも多いとされる。
昨年、東北地方を中心にクマの大量出没が相次いだ背景には、秋の主要な餌であるブナの広範囲での不作があった。餌を求めて人里周辺まで移動する個体が増えたことが、大きな要因とみられている。
「今年については、ブナの花芽の形成は良好とされ、秋の結実も並作から豊作になる可能性があります。そのため、少なくとも昨年のような広域的な大量出没がそのまま再現される可能性は高くない見通しです。ただし、餌の状況や気象条件によって変動するため、注意が不要になるわけではありません」






















