また巧妙な詐欺が多いのは日本もフランスも同じだ。中村さんも、すでに2回も詐欺に遭ってしまったという。
食品用ラップでも国民性の違いを感じる
「アメリカの入国許可(ESTA)を申請しようとした際、検索結果のトップに表示された偽サイトに、疑いもなくカード情報を入力してしまって……。
このときは幸い銀行側がカードをブロックしてくれましたが、荷物を受け取る関税のサイトでは、偽サイトに支払いをしてしまったんです。サイトで支払いをするときは大丈夫かどうか、ネットに強い子どもたちの世代に聞かなければと痛感しました」
フランスでは荷物が行方知れずになって届かないことも多く、日本のようなクール便、宅配ボックスといったきめ細かなサービスもない。
5月にネットで頼んだ商品が9月に届いたこともあったという。そのため日本に戻った際は、必要なものはできるだけスーツケースに入れてフランスに持ち帰るが、食品用ラップもそのひとつだ。
「日本のラップなら1枚でピタッと留まるけれど、フランス製は何重にもぐるぐる巻きにしないとしっかり密着しないんです。それでも改良されないのは、フランス人はそれを不便だとは思っていないからなのでしょう。こんなところにも国民性の違いを感じます」
歯磨き粉も、日本製が愛用品だ。
「フランスの歯磨き粉はミントの刺激が強く、使用した後にコーヒーを飲むと味が変わるほど。私のお気に入りは『クリーンデンタル』で、今では家族全員が気に入って使っています。ドラッグストアでは綿棒や使い捨てカイロも忘れずに買って帰ります」
食品では、「一保堂茶舗」のほうじ茶、味付け海苔、「ヨックモック」の「シガール」、「銀座 松崎煎餅」の「江戸草加 海苔巻」、「虎屋」の羊羹、歌舞伎揚げ、キットカット、甘めの梅干し、乾麺の細うどんなども必需品だ。フランスはブイヨンの国だが、料理に欠かせないのは「茅乃舎」の「野菜だし」だという。
「パックになっていて便利ですし、茅乃舎だしはラタトゥイユやグラタン、ポタージュを作るときに味の決め手になるんです」
最新刊には、こういった27年にわたるフランス生活の飾り気のない日常が、綴られている。
「パリのキラキラした部分だけでなく、ゴミ出しの苦労や学校の煩雑な手続きといった、日々の暮らしが詰まった本です。これまでエアコンいらずだったパリの夏が、地球温暖化の影響でエアコン必須になるなど、変わっていくパリもご紹介しています。
みなさんが日常生活を楽しむヒントになったり、パリを旅する際にこの本がお役に立てるとうれしいです」
取材・文/紀和 静
なかむら・えりこ 1969年3月11日生まれ。立教大学経済学部卒業後、1991年にフジテレビに入社しアナウンサーに。1999年に退社し、フリーとなる。2001年にフランス人実業家のシャルル・エドワード・バルト氏と結婚。生活の拠点をパリに移す。3児の母。現在はパリと東京を行き来しながら、テレビや雑誌、講演会、イベント、執筆などの仕事を続ける。ライフスタイルを発信するインスタグラムやYouTube「中村江里子のフランス暮らし」も人気。

















