“死”が頭をよぎった日、それでもステージに立った
トリプルネガティブは進行が早いという特徴がある。
「治療選択が難しいケースがあったり、抗がん剤治療が難航するケースもあると知りました。知識を得るほどに、大変な病だからこそ絶対に治してやる!という熱い思いが湧き上がっていたんです」
総合病院ではCTやMRI、腫瘍マーカーなど検査を行い、転移がないと確認。ステージ2と診断された。
「そのときには心構えができていたというか。今まで周りから心配されるくらい命を削って頑張ってきたので、もう限界だったのだろうと。乳がんの原因はわかりませんが、この大病を患うのはどこか必然的な気さえして、まさか自分が……とは思いませんでしたね。大きなライブを終えたところでしたし、デビューに向けたミュージックビデオの撮影やテレビ出演も一段落し、タイミングとしては今だったのかもと、受け止めました」
葛藤がありながらも、前向きに捉えるくろさわさん。しかし、年末にがんを公表するまでは、苦しみも大きかった。
「ファンのみんなが、デビューおめでとう!と喜んでくれるのに、自分はライブをしていても生きた心地がしない。それでも普段どおり明るく振る舞おうとすると、心にギャップが生まれてしまって。約1年半の休養が決まり、今年1月からのデビューツアーは中止。出演予定だった地元のお祭りなどもキャンセルし、鳥取との約束を果たせないのが悔しいです。でも、がんを公表したことで、ファンの方からは温かな言葉をいただき、その愛が励みになりました。同じ病を抱える女性からもメッセージが届くようになり、ひとりじゃないんだと勇気をもらっています」
昨年12月から始まった治療は、術前6か月間の抗がん剤治療、手術、そして術後6か月間の抗がん剤治療と予定が組まれた。

















