毎回、自分なりに石段を一歩一歩上がってきた感覚はあると語る。

終活なんて言ってられない

 新曲の制作だけでなく、5月からはコンサートツアーがスタートし、12月まで全国を巡る予定もあり、意欲的な活動は続く。これまでのソロコンサートは通算4700回以上で、さださんは日本最多記録を更新し続けている。

若いころは日本が知りたくて、ツアーのたびに朝早く起きては街をウロウロ歩いていましたね。面白いんですよ、この国って。そこでいろいろな人に会って、いろいろな言葉をいただいたりする中で、また新しい発見があります

 さださんといえば、作家としても精力的に活動している。

まだ書きたいテーマが嫌になるほどあるんです。全部書こうと思ったら最低5年はかかる。だから終活なんて言ってられないですよね(笑)

 さらに、大学で教壇に立ち、若い音楽家の育成にも力を注ぐ。この春開校した福岡県初の4年制音楽大学・福岡国際大学にも客員教授として迎えられている。

「これから音楽家を目指す若い人たちに伝えたいことは山ほどあって。僕も3歳からバイオリンを始めて、ずっとクラシックで育ってきたけど、練習が退屈でね。バカみたいに同じことを繰り返すんですよ。

 でも、単純な初歩練習をどのくらいやってきたかが、テクニックにつながってくる。それがやがて、血となり、肉となる。テクニックがある人は、その世界で長生きできます。そしてスキルと運のバランスが取れたときに、自分の道が開けていくんです

 これから先の人生で、やっておきたいことは何か。

「やっておきたいことは、いっぱいあります(笑)。ステージに立ち続けられる限り、どんどんコンサートをやっていこうと思います。コンサートは僕ら音楽家にとって血流と一緒なので、やめるわけにいかないんです。

 歌作りで、例えばもういいものが書けなくなりました、新しいアルバムが作れません、コンサートもできなくなりました、となったら、さてどう自分の人生を納めようかと考えるかもしれない。

 ただ、僕は二足どころか何足もワラジを履いているので、することは他にもまだまだあって。そうこうしているうちに、自然とこの世からいなくなるんじゃないですかね(笑)

さだまさしさんの新曲『神さまの言うとおり』が主題歌の映画『お終活3幸春!人生メモリーズ』
さだまさしさんの新曲『神さまの言うとおり』が主題歌の映画『お終活3幸春!人生メモリーズ』
【写真】泣けて役に立つ! さださんが主題歌を担当する「終活映画」

公開:5月29日(金)新宿ピカデリー、イオンシネマほか全国ロードショー 配給:イオンエンターテイメント 出演:高畑淳子、橋爪功、三田佳子(C)2026「お終活 3」製作委員会

取材・文/小野寺悦子