目次
Page 1
ー なぜ60歳が人間関係の見直し時なのか
Page 2
ー 「昔からの付き合い」に縛られなくていい
Page 3
ー 心地よい人間関係のカギ

60歳は節目の年。定年退職を迎えた人や子育てを終えた人が、これからの人生を考えるターニングポイントでもある。このタイミングで、これまでの人間関係をいったん見直し、無理をしない「量より質」の人付き合いを考えよう。

なぜ60歳が人間関係の見直し時なのか

「気を使う相手と会うと、どっと疲れる」
「昔からの付き合いだから切れない」
「誘われると断れない」

 そんな“人間関係疲れ”を抱えたまま、60代を迎える人は少なくない。

 しかし、精神科医の和田秀樹先生は「60歳は人間関係を見直す大きな節目」だと話す。長い人生の後半戦を心地よく生きるためには、「誰と付き合うか」を整理することが重要だというのだ。

「“いい人”を続けることより、自分が穏やかでいられること。60代からは、その視点が人生を豊かに変えていきます」(和田先生、以下同)

 和田先生によれば、60歳前後は人生の構造が大きく変わる時期だ。

 会社員であれば定年や役職定年が近づき、「仕事中心」の生活が終わりへと向かう。子育てが一段落し、親の介護、自身の健康問題なども現実味を帯びてくる。つまり、それまでの“社会的役割”によって成り立っていた人間関係が、少しずつ変化するのだ。

 若いころは、「仕事だから」「PTAだから」「ご近所だから」と、多少ストレスがあっても関係を維持していく必要があった。しかし60代は、“義務の付き合い”を減らしていける年代でもある。

 和田先生は「残りの人生の時間は有限」だと指摘。だからこそ、「疲れる人」「会うと気持ちが沈む人」にまでエネルギーを使う必要はないという考え方だ。実際、60代になると体力も気力も若いころとは違う。無理な付き合いを続けることは、想像以上にストレスになる。嫌な相手との会食のあと、何日も鬱々とした気分を引きずる─そんな経験を持つ人も多いだろう。

 だからこそ、「誰と過ごすか」は、健康や幸福感にも直結する問題になる。