変わっていく妻と、変われない夫という関係性
このように、新しそうな番組でありながら、構造もエピソードも平成中期っぽいなぁというのが、個人的な感想です。しかし、今のテレビで女性を揶揄する番組はないので、目新しさはありますし、オトコvsオンナというような対立構造がはっきりしたわかりやすい番組は、気楽に見られるという利点があります。男女問わず、こういう番組を好む人はいるのではないでしょうか。
さて、それでは、どうして最近のバラエティでは、オトコへのダメ出しが多いのでしょうか。私が思うに、女性たちはオトコの悪口を言っているのではなく、関係性の話をしているのだと思うのです。
たとえば、上沼さんはテレビ局勤務のご主人との結婚を機に、引退しています。ところが、すぐに芸能界に復帰。復帰にあたって、ご主人からは「東は姫路、西は京都まで」「泊まりの仕事はしない」という条件が出されたといいます。家庭を優先するのなら、復帰してもよいというのがご主人の考えだったのではないでしょうか。
上沼さんは忠実にこれを守り、2019年に『NHK紅白歌合戦』で司会を務めた後、生放送終了後にハイヤーで40万かけて大阪の自宅まで戻ったそうです。紅白歌合戦の司会をうけるまでの話もなかなか秀逸です。紅白歌合戦と言えば、国民的歌番組。その司会をするということは、上沼さんは名実ともに日本一の司会者というお墨付きをえたようなもの。テレビマンのご主人はそのすごさを誰よりも知っているはずなのに、オファーの話を打ち明けた際、「黒豆どうするの?」と返してきたそうです。ご主人は上沼さんの煮た黒豆が大好きで、上沼さんが紅白で年末に上京してしまうと食べられなくなってしまうからだそう。話術に長けた上沼さんですのでうまくまとめた可能性もいなめませんが、ここに夫と妻のすれちがいが集約している気がします。
上沼さんは最高のオファーを一緒に喜び、主婦のいない家庭がどう年越しをするのか話し合いたかったのだと思います。しかし、夫は黒豆が食べられなくなったらどうしようという自分の話をしている。上沼さんは結婚してお姑さんと同居して苦労し、母となり、仕事に復帰してタレントとしても大成していきます。妻はどんどん変わっていくのに、夫は全く変わろうとしない。変わっていく妻と、変われない夫という関係性の話をしているのであって、夫(男性)をたたいているわけではないと思うのです。



















