特に学童野球では、監督やコーチの言葉遣いに頭を悩ませる保護者も少なくはない。都内の野球クラブに小学生の子どもを通わせる40代の母親に話を聞いた。
「クラブの友達とゲームするときに、頻繁に飛び交うのが“殺せ”との言葉です。悪意あって使っていないのはわかるんですが、都度に“その言葉遣いをやめなさい”と注意しても一向に直る気配がありません。それで返ってきたのが“監督だって言っているよ”と。たしかに(苦笑)」
なんでもチームを預かるのは高齢の監督で、叱らない指導が一般的になりつつある学童野球において、いまだ子どもを怒鳴りつけるような昭和的な指導者。それだけに試合中でも「殺せ!」「なんで殺しに行かねぇんだ!」と怒鳴っては、相手チームの選手までもビックリさせているようだ。
“殺せ”に慣れてしまっている子ども
「挨拶などの礼儀も含めて、きびしく指導してくださるのはありがたいんですが、やっぱり突然、“殺せ”と大声を出されるとドキッとしてしまうのが本音で、相手のお母さんたちからも“すごいね”とヒソヒソされるのが恥ずかしいやら申し訳ないやら。
何よりも怖いのが、子どもたちが“殺せ”や“刺せ”に慣れてしまっていること。今更、監督さんに“直してください”とも言えないですし、そこは辛抱強く子どもに伝えようと思います」
この保護者は「もうあきらめてる」と高齢の指導者に肩を落とすが、時代に見合わない「殺す」「刺す」との野球用語になんら疑問を抱かない現場が多いのだろう。
近年ではコンプライアンスを順守し、ハラスメントや暴行行為の根絶を掲げるNPB(日本野球機構)。日本野球界のトップとして、プロ野球選手を目指す子どもたちのためにも野球用語の再考も指導する必要がありそうだ。


















