年商は5億円を超え事業を拡大中
片づける前と後とで写真を撮ることも忘れてはいけない。
「ビフォーとアフターを見比べて、そこで終わりではありません。冷蔵庫は家族も頻繁に使うので、自分だけでなく、子どもの身長で使いやすい仕組みになっているかなど、見直しも必要です。こうして1週間後もキレイな状態が維持できていれば、片づけ習慣化は合格といえるでしょう」
億劫な片づけも、西崎さんの教えを学んでみんなでやれば楽しく思えてくる。そして片づけが習慣化すると人生が好転していく。こうして西崎さんは「片づけ習慣化のカリスマ」として人気を獲得していった。
西崎さんの会社は現在7期目を迎え、2018年に3000万円だった年商は5・6億円規模にまで成長した。今は個人向けの片づけ講座にとどまらず、企業向けの働き方改革領域にも事業を広げているという。
「女性が辞めない会社づくりとして、『給料を上げます』『時短にします』だけでは無理です。問題は“家庭内の回らなさ”にあるので、それを解消するための企業研修を行うようになりました。『自分で片づける』ことがゴールではなく、『自分にしかできないこと』に集中するために、任せられる家事は外部委託する考え方も大切です。プロのサービスを活用して、自分の時間は仕事や自己実現に使う『生産性の高い生き方』を目指したいですよね」
また西崎さんは「女性だけに頑張れと言う時代は終わりにしたい」と話す。そのためにも男性や家族全体を巻き込んだ活動を強化し、今年4月に出版した書籍『時間とお金にゆとりが生まれる 貯まる片づけ』(プレジデント社)は、男性読者も対象としている。
「仕事の生産性向上やお金の管理と片づけをひもづけて、家庭でも仕事でもよい循環が生まれることを願っています。今は女性も経済力を身につけ、夫に依存しなくても生きていきやすくなり、離婚も増えています。妻から捨てられないために、家事や育児、親の介護など、男性が妻に頼らず『自分でどうにかできる術』を持っておくことが、夫婦円満につながるのではないでしょうか」
こうして片づけのカリスマとして躍進を続ける西崎さんだが、伝えたいのは「片づけのやり方」ではない。
「靴下の畳み方や収納グッズの使い方といった『ノウハウ』はどうでもいいんです。片づけが苦手な人たちの特徴は、自信がないから決められないという点。不安から買いそろえて、ものが増えてしまう。片づけは“選択の連続”であり、自分が選んだことを『これでいい』と肯定できる力を養うことを目的としています。『自分が選ぶことは間違ってない』と思えると、ものに執着しなくなり、生き方にも自信が持てるようになります」
自らが片づけで人生を変え、実業家として成功した西崎さんの言葉には説得力がある。これからも片づけられる人を増やし、家族が笑顔で暮らせる家庭づくりを支援していく。
取材・文/垣内 栄 撮影/山田智絵


















