母親は笑って見ているだけで……
しかも、その行為を母親が見ていたが、止めることはなかった。
「母親は隣の布団に座っていたところ、父親が挿入した状態を布団をめくり、母親に『ほら見ろよ、入った、入った』と笑いながら見せつけたのです。母は『何してるの?』と笑って見ているだけでした。終わったあとは必ず、『誰にも言うんじゃないぞ』と念を押されました」
塚原さんが性行為の意味を理解したのは中学2年のころだ。そのころは、暴力によって学校にも行かせてもらえない状況にもなっていた。
「もともと、学校にはなかなか行かせてもらえなかったんです。髪の毛を引っこ抜かれたりして、はげた部分があちこちあって。ハサミで虎刈りにされた状態だったこともありました。教科書も浴槽に捨てられました」
暴力の痕は身体中に刻まれている。「傷が今でも、ここにあるんですけど……」と言って、腕を見せる。
「傷が残っているのは、おでこ、右脚太もも外側、背中です。手の甲の根性焼きと、包丁で切られた腕の痕は年のせいかだいぶ薄くなりました。そのハートみたいな形が残っていました。これはホースで殴られた痕で、裂けた傷なんです。傷はあちこちに残っています」
父親は、塚原さんを殴った。そして、弟と妹に殴らせることもあった。
「私はひたすら叩かれていました。泣くと、『うるさい。黙れ。声を上げるな』とタオルで口をふさがれ、殴られました。父が殴り疲れると、弟や妹に『やれ!』と命令して、やらせていたのです。投げ飛ばされて、敷居で頭を打って、失神したこともあります。
目を覚ましたとき、父がお酒を飲んでいて、妹を隣に座らせていました。母は普通にキッチンで父のつまみを作っていました。ぶつけたときの痕が額にあります。傷を見ると、あのときの記憶が蘇ります」
しかし、目が覚めても暴力は続いた。
「何もわからないまま起き上がったら、また殴られました。父に『てめえ。ちょっと待ってろ!』と言われ、そのまま殴られました。でも誰も助けてくれないんです。
学校で椅子に座りますよね。腕やお尻、背中、太ももを集中的にやられているので、普通には座れない。腕をこう使って浮かせるように座るんですよ。学校の先生には覚えておいてほしいです」


















