舞台は“命”

「この役が楽しかったぁー」「撮影が楽しくて毎日が夢のよう」って思われる方がうらやましい。私は舞台で共演した左とん平さんからは、「浜ちゃん、ぶきっちょだねぇ」って言われてましたから(笑)。

 エッ!? 私から役者さんに伝えたいことですか? ありませんよ、そんな偉そうなことは。でも、しいて言わせていただくなら「驕り高ぶり精神は捨てなさい」「謙虚さや敬意を失わないで」と申し上げておきます。すみません、エラソーに。でも、子役チャンには厳しく言わせていただきました。お稽古で注意すると、すぐ泣き出す子がいました。

「こんなことで泣きたくなるなら、舞台はできませんよ。辞めますか?」

 かわいそうですが、そこまで言ってしまいます。私にとって舞台は“命”ですから。子役チャンは慣れてくると気持ちを置いてきてしまい、ただセリフをスルスル言うだけになるので、演出助手が注意をします。

 そういえば以前、子役チャンの中に小栗旬さんがいらっしゃいましたね。私の舞台『人生は、ガタゴト列車に乗って……』に出ておられました。今は大変な活躍ですね。ご一緒した方はたくさんで書ききれませんが、みなさんがビッグになられてうれしいかぎりです。

 芸は人なり─私も大切にしている言葉です。年を重ねた私も、最後まで人生を丁寧に歩んでまいります。みなさん、またネ。

はま・ゆうこ/1935年、東京都生まれ。宝塚音楽学校卒業。'62年に文化庁芸術祭奨励賞、'73年にゴールデン・アロー賞、'89年に菊田一夫演劇大賞、'95年に橋田賞などを受賞。2000年に紫綬褒章、'14年に旭日小綬章を受章