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ー “お手振り”ものいわばファンサービスに端を発していた

 

 8月20日に愛子さまがフェルメールの特別展の開館にあたり、大阪を訪問された。その際、中之島美術館付近の沿道に集まった人が掲げた“推し活うちわ”が賛否を呼んでいる。

「沿道には愛子さまをひと目見ようと多くの人が集まり、お姿が見えると悲鳴にも近い歓声が上がっていました。まるでアイドルのコンサート会場にいるかのような盛り上がりで、なかには『敬宮 愛子さま』という文字をあしらった、推し活グッズのようなうちわを持った女性もいました。新年の一般参賀などでもうちわは見受けられましたが、一般化してきている印象です」(皇室記者)

“お手振り”ものいわばファンサービスに端を発していた

 ネット上では、推し活うちわに対して《下品で失礼》《皇族とアイドルの区別ができない残念な人達》《愛子さまへの敬愛が伝わります》《正直、作ってみたいと思った》など、さまざまな声が上がっている。

 皇室報道を題材に皇室と社会のかかわり方について研究する、成城大学文芸学部の森暢平教授に話を聞いた。

「うちわをそのように掲げることに対して、不敬だと批判する人もいるでしょう。しかし、言論や表現の自由が保障されているわけですから、仮に“天皇制反対”というメッセージがあっても、それを排除するのは難しい。実際に右翼的なスローガンを掲げる団体や、保守団体が配布した日の丸や提灯が振られるケースもあり、宮内庁も干渉していません。そうした例が許容されている以上、純粋な応援の気持ちを示す推し活うちわに問題があるとは思えません」(森教授、以下同)

 さらに、皇室と人々の関係性についてはこのように続ける。

そもそも皇室と人々の関係は、時代の流れに合わせてどんどんとアップデートしていくものです。近代天皇制では、メディア・大衆・皇室が一体となって成り立ってきました。そこでは国民からの人気や支持が重要で、いわば人気商売のような形で、皇族の絵はがきが販売されたり、大衆雑誌のグラビアページに皇族の写真が掲載されたりしました。明治時代には“六大巡幸”という大規模な行幸が行われましたが、神格性や伝統を保持するためだけなら天皇が地方へ赴く必要はないはずで、敢えて皇居を出た大旅行をしたのは、人々に天皇の姿を見せ、親近感を持ってもらい、支持を得るというアピールが主目的でした。“お手振り”も支持を広げるためのいわばファンサービスに端を発しています。天皇制が、大衆の支持の上に成り立つという性質は明治以来、今日まで変わっていません

 昔も今も、国民との距離を縮めようと強い意識を持たれている皇族方。時代の変化に伴い、皇室と国民のかかわり方もアップデートされていくのだとすれば、「推し活うちわ」はまさに現代を象徴するものだといえそうだ。