問い返す人のいないXで施行を目前にして初めて語った高市氏

 かつて安定的な皇位継承に関する検討本部の本部長を務めた中道改革連合の馬淵澄夫氏は、この高市首相の投稿に疑問を呈する。

「高市総理の対応は、本来あるべき説明責任の果たし方とは異なります。成立した7月17日に記者会見が開かれ、立法府の総意になかった規定がなぜ入ったのかと問われている。しかし答えは、経緯の説明と“立法府の意思を尊重する”のひと言でした。問われた場では答えず、問い返す人のいないXで、施行を目前にして初めて語られた。順序が逆です。共同通信の世論調査では、女性天皇を認めることに内閣支持層でも77%が賛成しています

 こうした状況に高市首相も焦りを感じているのかもしれない。政治学者で皇室の研究を専門とする明治学院大学の原武史名誉教授は、こう解説する。

高市氏のX投稿は非常に政治的な意図を感じます。文章の分量を見ても、第一案である“女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する”案に大きなウエートが置かれています。そこだけ読めばあたかもその部分こそが、今回の改正の主な目的であるかのように印象づけられます。しかし、本人の意思による離脱も可能なうえ、配偶者や生まれる子どもは皇族にはなれません。重要な部分を伏せ、論点を巧みにカムフラージュしているように見えます」

 高市首相が最小限の言及にとどめた(2)案は、もともと自民党が最優先として掲げていたはずだ。

「養子として迎えられた男性本人には皇位継承権はありませんが、結婚し男子を授かった場合、その子には皇位継承権が発生することになります。投稿では、その核心部分には一切触れていません。最も重要な論点を避けたまま、“女性天皇を認めるかどうかは今回の議論に含まれていない”と主張されても、国民が納得できるはずがありません。これは『女性天皇や愛子天皇論を支持する層』を取り込もうとする弁明や方便ともいえますが、その意図はあまりに明白です。皇室問題に関心を抱く人であれば、ひと見で見抜ける稚拙なレトリックと言わざるを得ません」(原名誉教授)