皇室典範改正の理解を求める努力が政府に足りない
説明を避ける姿勢は、別の疑念にもつながっている。9月19日から行われる「アジア競技大会」の開会式に天皇、皇后両陛下や秋篠宮ご夫妻と共に高市首相も出席予定だったと前出の社会部記者は次のように話す。
「9月9日、政府高官によって高市氏は開会式を欠席することが明らかに。外交上の理由としていますが、SNSでは“逃げたのでは?”と訝しむ声もあります」
こうした声の背景には「昭和100年記念式典」にて、式次に陛下のお言葉が組み込まれなかったことなどで「不敬ではないか」との声が上がったことが影響している。しかし、早急に判断するべきではないと、原名誉教授はこう語る。
「あくまでも表面的な現象ですから、その2点だけで皇室と政府との関係性を判断するのは早急すぎます。過去にも国家的な式典に、天皇や皇后が招かれなかった事例や、“お言葉”が盛り込まれなかった例は存在しますから、一概には言えません。ただし、秋篠宮が8月13日のパラグアイ訪問前の会見で“生身の人間ですからいろいろ思うところもあります”と言われたのは、ある種の警告とも捉えられます。かつて、現上皇が退位の“お気持ち”を示す速報が流れた際も官邸はカヤの外に置かれていましたから、政府側にも緊張感や畏怖があるのかもしれません」
高市首相の投稿は、国民の政府に対する不満や不信を和らげるどころか、かえって逆なでしたようだ。
「天皇は国政に関する権能を有しないと憲法第4条に定められています。制度の中身について意見を述べることはできません。だからこそ6月の会見でも、国民の理解が得られるものとなることを望む、と法案成立の手続きに関わる形で述べられたのだと受け止めています。政府が果たすべき役割は、その理解を得る努力を尽くすことです。努力が足りないから臆測を呼ぶのであって、今回の投稿はその疑問に答えていません」(馬淵氏)
正面から国民と向き合い言葉を尽くすことこそが、今、政権に求められているのではないか。
馬淵澄夫 元・国土交通大臣。現在は中道改革連合に所属。民進党時代には皇位検討委員会事務局長、立憲民主党時代には安定的な皇位継承に関する検討本部の本部長を務めた
原 武史 明治学院大学名誉教授。専門は日本政治思想史。『昭和天皇』『皇后考』『戦後政治と温泉』など著書多数


















