今秋の個展「相撲:神聖なる魂」について

――2026年10月に東京・南青山で開催する展覧会では、どのような作品やテーマを扱いますか。

「今回の展覧会は、相撲の神聖な儀式やそこに使われる品々を、説明するかたちで見せていくものです。日本の方にも、外国の方にも、相撲がスポーツではなく、ある種の神聖な伝統的サブカルチャーであることを伝えたいと思っています。神道の神社があるように、相撲もまた日本の絶対的に神聖な営みです。

 展示の中心となるのは、小津和紙(おずわし)に描いた最近のドローイング作品です。小津和紙は東京でも最も歴史ある和紙の専門店の一つです。相撲の伝統的な儀式の場面や、神聖な道具を描いた作品を展示します。

 さらに、1910年製の軍配や化粧まわし、古い写真、19世紀の浮世絵なども展示する予定です。現代アートと古いものを混在させることで、展覧会はより深みを増すと考えています。100年前の相撲は今と違っていた。力士の体型も異なりましたが、着物はほとんど同じでした。そのような歴史の連続と変化を、一つの空間で体験してもらいたいと思っています」

――展覧会の構成について、もう少し詳しく教えてください。

「会場は二層になっています。一階では、土俵祭りで使われるお供えもの、シデ、あるいは土俵の中央に埋められるかちぐり・洗い米・昆布・するめといった細かいものを、それぞれの意味とともに絵として展示します。

 普段の相撲観戦では目に入らない、こうした細部にこそ神聖な意味があります。それを丁寧に説明することが、この展覧会の役割です。二階では、年間を通じた相撲の儀式を描いた絵画を展示します。一階で細部を理解した方が二階に上がると、祭りや儀式の全体像がより深く見えてくる。そういう構造になっています」

――今回の展覧会が「平和への祈り」というテーマを持つと伺いました。相撲を通じて平和を願うとはどういうことでしょうか。

「平和を祈り、健康を祈る。それは実は、相撲の伝統の中に最初から刻み込まれています。今回展示する1910年製の軍配には『天下泰平』という言葉が書かれています。相撲の起源にもある『五穀豊穣』と並ぶ、この言葉が今回の展覧会のメッセージです。

 ウクライナが今、ロシアとの戦争で非常に苦しい状況にある中で、相撲が本来持っている『世界に平和を』という精神を伝えることは、今だからこそ意味があると思っています。展覧会の開幕には、神道の神主によるセレモニーも予定しています。神道のお祓いと相撲の神聖さが重なるこの場所で、ウクライナへの、そして世界への平和の祈りを届けたいと思っています」