サル山再開、群れの一員として歩む現在

 その後も来園者の観覧マナーをめぐる問題は続き、6月24日にはサル山にレーザーポインターを照射する動画がYouTubeに投稿されていたことが判明。

 9月からはサル山の工事に伴い観覧を休止。当初の予定から延長されたものの、10月21日にようやく再開を迎えた。撮影エリアの整理券制や観覧時間の制限など、動物たちの生活環境に配慮した新たなルールも導入されている。こうして今年1年間を振り返ってもパンチくんの環境は目まぐるしく変化していったことがわかる。

IKEAジャパンからパンチくんに贈呈されたぬいぐるみの数々(市川市公式Xより)
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 かつてはぬいぐるみを抱えて過ごしていたパンチくんも、今ではほかのサルと遊んだり、毛繕いをしたりと、群れの中で過ごす時間が増えている。一部の取材に対し、動物園側は来年以降も群れになじむための挑戦は続くと説明した。

「人工哺育で育ったニホンザルが群れに入るには、ほかの個体との関係を一から築いていく必要があります。パンチくんの場合も、ぬいぐるみが安心できる存在だった一方で、群れの中で過ごす経験を重ねることが重要でした。

 人気が出たことで来園者が増えたのは喜ばしいことですが、何より優先されるべきなのは動物たちの生活環境です。パンチくんだけでなく、群れ全体を温かく見守ってほしいですね」(前出・動物ジャーナリスト)

 母親代わりのぬいぐるみとともに歩み始めた小さな子ザルは、いまや世界中から成長を見守られる存在に。流行語大賞へのノミネートは、そんなパンチくんが多くの人に愛されてきた1年を象徴する出来事といえそうだ。