発見率は90%以上【MRI検査】の威力

 MRIは強い磁場を利用した装置で、乳がんを診断するための、もっとも感度(病変の発見率)の高い画像診断です。しこりになる前の非浸潤がん(※編集部注:乳管の中に乳がん細胞がとどまった状態。5年生存率で100%完治)の検出率は、マンモグラフィ検査56%に対し、乳房MRI検査92%というデータもあるほどです。

 しかし、MRIは検診段階で自費診療であること、また造影剤を投与しての検査であるなどから、一般の検診と比べ、敷居が高いのが現状です。

 欧米では遺伝的に乳がんにかかりやすい女性の検診に、MRIが有用だと知られています。もし、遺伝性乳がんのチェック項目(表参照)に1つでも該当していたら、遺伝性乳がんのリスクがあるかもしれないので、MRI検査を、「1度は受けてみる」ことを考えてみてもいいでしょう。受診する際は、日本乳癌検診学会の画像診断ガイドラインをクリアした医療機関を選んでください。

 MRI検査の結果を踏まえ、「検診の間隔」「どの検査が効果的か」など、医師と今後の方針が立てやすくなります。

 

 基本的には、ハイリスクの女性は「マンモグラフィ+MRI」、ハイリスクではなく高濃度乳腺の女性は「マンモグラフィ+超音波」、それ以外の女性は「マンモグラフィのみ」というように、自分のリスクを知って、有効な検診を受けることが望ましいでしょう。