3億ぐらいくれてやっても構わない

超年下トルコ人夫との破天荒な結婚生活を告白した『破婚』(新潮社)
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 やがて、夫婦関係は冷え切り、イスタンブールでの出会いからは予想もできない状況となります。

「嘘つきでペテン師なのは出会ったときからわかっていたんです。でも、それを凌駕するものが彼にはあった。それは人間的な面白さであったり、彼からの愛情や、ユーモア感覚の共有だったり、いろんな理由や要素があった。介護入籍って言い方をしたこともあるけれど、これだけ年下なら先に死ぬこともないから看取ってくれるだろうと計算したのもあるんです」

 及川さんの期待を次々と裏切ったうえ、アキレるを通り越してア然とするような詐欺と裏切りを重ねるE。普通なら精神的に参ってしまうと思うのですが、及川さんはこう語ります。

「私は愛情に手加減できない女なんですよ。私が書いた(やしきたかじんの)歌に《もしもあんたがくれと言うなら、今夜命をあげる》というフレーズがあるんだけど、このまんまの女(笑)。自分を下げてでも徹底的に相手を愛し抜こうとする。それは自分で決意してそうしてきたこと。だから今も後悔はありません。

 何しろ私の情念はハンパないから、受け切れる人間というのはなかなかいない。いままでも、うまくかわす人はいました。私の扱いがうまい人はね。でも、Eはそういう意味では扱いは下手なんだけど、私の情念の全部を受け止めた。13年間、私の濃い情念を受け切ったEには、3億ぐらいくれてやってもまあいいかと思う(笑)。

 読者のみなさんには、3億を男に溶かしたバカな女がいて、それでもしぶとく生きてるって思ってもらえればいい。100万の借金で自殺してしまう人もいるけど、未来は自分の意思で変えられるんだから」