「突然ですが、ワイングラスはどこを持つのが正しいか知っていますか?」

 マナー講師・諏内えみさんからのクエスチョン。アナタは正解できる?

「現在、日本ではほとんどの方がステム部分(棒のところ)を持っていますが、実は、欧米ではボウル部分を持つのが主流です。正式な晩餐会でも、各国の首脳たちはボウルを持って乾杯しているんですよ。ただ、日本のレストランやパーティーでボウルを持つ方は少ないため、“周りに合わせるのもマナー”という観点から、ステムを持ってもよいでしょう」

 大切なのは“グローバルではボウル”という知識を持ったうえで、臨機応変な態度がとれること。

マナーと聞くと、つい正解を求めてしまいますが、相手との関係性やお店のランク、国によっても変わってきます。マナーとは“人を不快にさせない”“相手を心地よくさせる”ものなんです」

 知ってさえいれば、どんな場面でも萎縮せず、堂々と振る舞うことができる。逆に、知らないと自分の株を不必要に下げてしまうことも……。そして失敗が許されないのは、何といっても冠婚葬祭

結婚式では、パンツスタイルのように昔はNGでも、最近は許容されていることもあります。が、やはり周りの見る目は厳しい場です。“新郎新婦から呼ばれている”という自分の立場をわきまえることが何より大切です。葬儀・法要は宗教、宗派、地域性で正解が変わってくるので、難しいですよね」

 とは、和文化研究家・三浦康子さん。諏内さんと同様に“基本的な知識を持ったうえで、シーンに応じて、相手の気持ちを考えながら振る舞うことが正解”だと強調する。

 さっそく、食事編、訪問編を諏内さんに、冠婚葬祭編は三浦さんに、大人の基本マナーを教えてもらおう。ちなみに、見出しの後に(★)があるのは、編集部の30代独身記者が「知らなかった」と呟いたものです。