診察室の一部も避難スペースに。学生ボランティアも駆けつけた
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 徳田さんは避難所としての開放は「1か月」と限定した。それまでに身の振り方を決めてほしい、と計画性を求めたのだ。1か月後、病院は避難所としての役割を終えたが、当時を一緒に過ごした被災者たちは今もLINEグループを作って仲よくしている。

 徳田さんは、行政にも災害時の避難所のありようを検討してほしいと願っている。

「ペットを可愛がっているおじいちゃんやおばあちゃんにとって、その子がいることで生きる気力が湧くんですよ。若い人はそれなりに立ち直れるけど、高齢者は大災害にあったとき、どうしても立ち直りが遅くなる。だからこそ、同伴避難所をぜひ作ってほしいですね」

今なお一緒に暮らせない人たちも

 被災当初から今にいたるまで、ペットと一緒に暮らせていない人たちもいる。生活再建が遅れ、みなし仮設として賃貸アパートなどに入居している場合、飼えないからだ。

 熊本県では地震から約1か月後に『熊本地震ペット救護本部』を設置。ペットの救護や飼い主の支援を行ってきた。

 実は2年前、九州動物福祉協会では、ペット用のシェルター施設となる『九州災害時動物救援センター』の開設準備を進めていた。副センター長の林泰輔さんは言う。

「阪神・淡路大震災や東日本大震災では動物の行き場がなくて、迷子や放棄された犬が多かったんです。そこで、広域のシェルターを作ることになり、昨年春にオープンする予定でした。

 その1年前に熊本地震が起こってしまった。準備段階ではあるけれど、生活再建ができるまでのお手伝いとして70頭ほどを受け入れました

 このシェルターは大分県にあり、広大な敷地で豊かな自然に恵まれたところ。預けている人たちは過去4回ほど、バスツアーを組んで飼っている犬に会いに行っている。

「飼い主が来ると犬も喜ぶし、人間のほうも早く生活を再建できるよう頑張らなくてはと思うみたいです」(林さん)

 熊本県獣医師会によれば、犬猫一時預かりの数は県内の動物病院だけで、発災した4月は312頭、8月は189頭と、約半年にわたり3桁の数字が続いた。県内の動物ボランティアも一時預かりに奔走した。