三世代同居で母と娘の健康管理を担う

 麻木の母は術後、再び社交ダンスに通えるほど回復。母の病気をきっかけに、麻木は娘を加えた三世代での同居をスタートさせた。彼女たちの健康管理は、麻木の役目だ。

シェアハウスみたいですよ。2人に“ごはんだよ”“おやつだよ”って言うと、自分の部屋から出てきて真ん中のリビングに集まってくる(笑)。母の朝食は母が自分で作った煮物、ナッツ、ヨーグルトを食べるのが習慣。昼間は外出してほとんどいないので、夜ごはんが私の出番です。母が“今日は高野山に行ってきたのよ”と言えば、疲れがとれるお酢をたっぷり使ったレシピを考えます。食事が家族とのコミュニケーションにもつながっていますね。娘の場合、平日は仕事でほとんどいないので、週末のごはんで腕を振るいます。外食だと肉や魚が多いと思うので、豆類を使った料理で身体のバランスをとるようにしています」

「女三世代でうまくやるコツは?」という問いに、「期待しないことかな」と笑顔で答えた麻木。病気がきっかけで、家族はひとつ屋根の下に集い、その絆(きずな)はより深まった。

麻木久仁子=著『生命力を足すレシピ』(文響社)※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします
【写真】インタビューを受ける麻木久仁子

あさぎ くにこ◎テレビやラジオ番組で司会者、コメンテーターとして活躍するほか、クイズを中心としたバラエティー番組にも出演。'16年には、国際薬膳師の資格を取得。