志駕さんが作品づくりで、今後も含めて信念にしているのがこの“いまを書く”ことだという。しかし、時代は進んでいくため“いまを書く”ことは後年、作品に“古い”印象を与えると指摘する声もあり、リスクも伴う。

「約20年前に宮部みゆきさんが書いた『火車』は、カード社会の多重債務者、自己破産者を扱ったミステリー小説ですが、これも当時の“いま”が題材。でも、この作品を今日、読んだとして決して古さは感じない。その時代の社会問題をあのタイミングで書いたことに意味があると思います」

 また、“いまを書く”ことで、久しく小説を読まなかった人々が興味をもち、一気に読んだ、という感想が数多く寄せられたことにも目を細める。

 今後も私たちが生きる“いま”をテーマに、読者が飽きることのない怒濤の展開を繰り広げるエンターテイメント小説を提供したいと語ってくれた。

ライターは見た! 著者の素顔

 絶賛公開中の映画『スマホを落としただけなのに』の感想を聞くと、「小説とはまた違った形ですが、よくできていました。主人公こそ北川景子さんのイメージはあったのですが、恋人役の田中圭さんはじめほぼ出演者全員が私のイメージにピッタリ。初めて北川さんにお目にかかったとき、髪の毛を黒のストレートに変えてらして驚いたのですが、よくよく考えれば、自分が書いた主人公が黒のストレート! 『あの北川景子が主人公に合わせてくれたんだ……』と感慨深いものがありました(笑)

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『スマホを落としただけなのに』(志駕晃=著 宝島社文庫/税込702円)※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします
『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(志駕晃=著 宝島社文庫/税込702円)※記事の中の写真をクリックするとアマゾンの紹介ページにジャンプします

しが・あきら◎1963年生まれ。神奈川県横浜市在住。明治大学商学部卒業。ニッポン放送入社後、ラジオ番組制作に関わる。担当番組は『ウッチャンナンチャンのオールナイトニッポン』『ドリアン助川の正義のラジオ ジャンベルジャン』『中居正広のSome girl'SMAP』など多数。宝島社主催・第15回『このミステリーがすごい!』大賞の「隠し玉」として『スマホを落としただけなのに』で作家デビュー。『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』はシリーズ第2作となる。

(取材・文/松岡理恵)