しかし、ここには優等生ならではの“甘さ”があるように私は思います。それはほめ言葉が真実だと信じて疑っていないのです。

 こういう時は、逆の立場から物事を見ると、冷静に考えられるようになります。もしあなたも麻耶さんのようにほめられたくて仕方ないタイプであれば、どんな時にどんな気持ちで、あなたが他人をほめるのか考えてみればいいのです。

 人が人をほめる時は、以下のようなパターンがあります。

(1)心からの賞賛
 オリンピックの金メダリストなど、点数や数字で表せる競技で高得点をたたき出し、トップに輝いた人は、惜しみない賛辞が贈られるでしょう。ただし、このほめ言葉はその結果を出した時限定なので、周囲はそのうち忘れていきます。

(2)角を立てたくない
 職場の部下や後輩の仕事の出来がいまいちでも、特に問題があるわけではないので「がんばっているよね。ありがとう」と言ったことはありませんか? オトナの世界では角が立たないように「とりあえず、ほめておく」場合もあります。

(3)お金が介在する
 先輩にもらったお土産のお菓子がいまいちな場合でも、わざわざ買ってきてもらったものに「おいしくないです」と報告することは、まずないでしょう。お金を使ってもらった側の気づかいです。

(4)関わりたくない
 仕事で問題を起こしがちな後輩がいるとします。その後輩に相談された場合、面倒くさいので「よくがんばってるよ。大丈夫だよ」とほめたふりをして逃げることもありえます。

(5)特に話すことがない
 たとえば、女性同士で話題に困ったときに、「とりあえず相手の持ち物をほめる」ということがあります。場を和やかにするためです。

(6)見下し
 これはレアケースですが、自分より下の人を「がんばっていて偉い」というようにあえてほめることがあります。見下しているから、優しくなれるのです。

(7)下心がある
 ほめるべき結果がなくても、相手に好意や下心があると、ほめたくなります。

 上記のセブンルールでもわかるとおり、ほめ言葉は必ずしも純粋な賞賛を意味するとは限らないのです。だとすると、嘘かもしれないほめ言葉を必死に求めることは無意味だと思いませんか? 本当にあなたが評価されているのなら、具体的な行動(昇進、抜擢など)に現れるはずです。