鎌田先生がいま、寒天と並んで注目している地元の食材がある。それは、今年10月に情報番組で紹介したことから、生産が追いつかないほど爆発的に売れている高野豆腐である。

 高野豆腐は、丸大豆を粉砕し、豆乳ににがりを加え、ゆっくりと凍らせて作られる。

「高野豆腐は豆腐に比べて、体内の消化酵素で分解されにくいレジストタンパクがケタ違いに豊富。コレステロールや中性脂肪、血糖値を下げる働きがあります。そのうえ、免疫力をアップさせる食物繊維、カルシウム、マグネシウム、鉄分なども豊富です」

 和洋中どんな料理にも合うし、乾物なので長期保存が可能だ。

「これを1日1枚食べるだけで健康状態が劇的によくなる救世主です。粉末状にした『粉豆腐』をパン粉がわりにしてハンバーグを作るなど、応用範囲が広く魅力的です」

50歳からの生き方が大切

 鎌田先生は長寿について、ある哲学を持っている。

「おいしいものを食べないで我慢ばかりしていると幸せな気持ちになれません。だから食べない健康法より、私は食べる健康法。食べて運動して、筋肉を“貯筋”することが長寿の秘訣。そのためには、タンパク質をしっかりとることも大切です」

 貯筋するにはまず、よく歩くこと。さらに、御年70歳ながらも独自の「スクワット」「かかと落とし」も実践している。

「長寿は、50歳から70歳までの生き方が大切。減塩、野菜はたっぷり、運動したうえでおいしいものを食べる。これが最後まで長患いしない、ぴんぴんころりの極意です」


手間いらずのイチオシメニュー
サバ味噌缶詰とキャベツの炒め

サバ味噌缶詰とキャベツの炒め

【材料(1人分)】
サバ味噌缶…1缶、キャベツ…1/4玉、ショウガ…1かけ(おすしのガリでも可)
【作り方】
キャベツをざく切りにし、ショウガかガリはせん切りにする。フライパンは油をひかずに中火であたため、缶から出したサバを汁ごとフライパンの中央に置き、まわりにキャベツを置く。サバの油と味噌ダレがキャベツにしみるのを待ち、サバはいじらずにキャベツを2回くらいざっとかき回す。器に盛って、ショウガかガリを散らして完成。


《PROFILE》
鎌田 實先生 ◎かまた・みのる。諏訪中央病院名誉院長、地域包括ケア研究所所長。東京医科歯科大学医学部卒業後、諏訪中央病院に赴任、長野県を長寿で医療費の安い地域へと導いた。東北はもとより、講演活動、テレビ番組出演などをこなすかたわら、全国各地の被災地にも足を運び多方面で活躍中。著書に『がんばらない』(集英社)など多数