日沢「ありがとうございます。その家事に費やしている、Bさんの1日の平均時間はわかりますか?」

Bさん「日によりけりですが、少なくとも毎日、3時間はやっていると思います。献立を考えたり、細かいことを入れたりすると、少なくとも毎日、5時間は家事のために時間を割いている感じです」

日沢「なるほど。そうなると、家事はほぼ毎日ありますから、5時間×30日とすると、1か月で150時間はかかっていることになりますね。これで計算してみましょう」

家事代行サービスの利用料をベースに計算した場合

日沢「まず、最初に、Bさんの家事労働を大手家事代行サービスの単価で計算してみまますね。東京都内の代行サービスの1時間当たりの最低相場が約2000円です。

 150時間×2000円=月給30万円という金額になります。年間にすると、なんと360万円です」

Bさん「そんなに高いんですか」

日沢「はい。ただしこの計算の欠点は、Bさんはそういった専門業者ではないため、単純に2000円の価値のある作業かどうかの判断が難しくなります。プロの仕事と比較するわけですからね」

平均時給をベースに計算した場合

日沢「次に、Bさんの年代の平均時給で見てみましょう。お住まいの地域にもよるかと思いますが、女性の短時間労働者の平均時給は1074円だそうです(平成29年賃金構造基本統計調査/厚生労働省調べ)。

 これをベースにみてみましょう。150時間×1074円=月給16万1100円という金額になります。年間にすると193万3200円です」

Bさん「う〜ん、この場合だとかなりさがりますね……」

日沢「あくまで一例です。ただ、Bさんの家庭の家事はBさんが一番詳しいので、その点だともう少し高い時給で計算するという考え方もありますね」