いまだに収束する気配がないピエール瀧容疑者の逮捕報道。芸能界への衝撃もさることながら、出演作の公開自粛、CD等の販売がストップするなど、世間にも大きな影響が出ている。この平成最後の大騒動について、コラムニストの辛酸なめ子さんとともに考える。

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──かなり衝撃の大きいニュースでしたね。

「あれほど才能がある方ですし、このまま順調にずっと成功され続けるのかなと思っていたので驚きました……。ただ、ニュースを見る限り、そこまでピエールさんを悪く言う人が多くなかったというのが印象的でした。一部で、“高架下の自転車置き場で立ちションをしていた”という近隣住民のこぼれ話も報じられていましたが……」

──毎日のように続報が出てきて、めまぐるしかったです。

「日本では珍しい薬物ということもあり、ワイドショーがコカインの使い方などをたくさん特集していたのも記憶に新しいです。あるニュース番組ではコカインの化学式まで紹介していましたし、ほかの番組でも覚せい剤などほかの薬物との比較をフリップにまとめていましたが、かなりしっかりとした出来でした。

 逆に世間の人がコカインに詳しくなりすぎて興味が湧いてしまうのでは? と感じてしまいます。高価で希少な“セレブドラッグ”というカッコいい紹介のされ方も悪影響を及ぼしていそうで心配です。とにかく、すごくコカインについて学ばされた数週間でした

──辛酸さんが普段からウォッチされている海外セレブも薬物がらみの報道が多いですよね。

「海外セレブのケイト・モスもかつてコカインで話題になりましたね。なりふり構わず、机でなく地べたに粉のラインを引いて吸ってたというワイルドな逸話もあるとか。適当な台すら近くになかったのでしょうか……。まさにコカイン番長です。

 その後、中毒になった彼女は一度モデルとしてのキャリアを全てを失いましたが、人望が厚かったのでまたカムバックを果たしています。

 レディ・ガガも“コカインだけが友達だった”だと公言したり、オランダ公演でもステージ上でマリファナを吸引。そんな彼女は今でも世界中で活躍していますし、薬物から立ち直ったことを語ることで啓蒙活動を行なっています。一方、今の日本は薬物犯罪に対して相当厳しいという印象はありますね」