バッシングを経験した先輩アスリート・リョウコ

 女性アスリートを上から目線で「かわいい」とほめそやし、本人が真剣に「かわいい」に励もうとすると、世間がバッシングするというのは、今に始まったことではありません。

 シドニー、アテネの両オリンピックで金メダルを獲得した元柔道選手の谷亮子(以下、リョウコ)も、同様の「かわいい」バッシングを経験しています。長く低迷する柔道の救世主として現れた彼女が成人式を迎え、振り袖で会場に向かう姿をスポーツニュース番組が密着していましたが、沿道の女性たちは「かわいい」という声援を送っていました。

 しかし、リョウコがオリックス・ブルーウェーブの谷佳知選手(当時)と交際を始め、キャンプ地に白いワンピースを着て差し入れに行ったあたりから、なんとなく空気感が変わった記憶があります。その後、リョウコが男性週刊誌のグラビアに挑戦したり、始球式でおヘソを見せての投球後に「サービスしちゃいましたね」と発言したころには、すっかりバッシングの対象となっていたのでした。

 さて、みなさんはこういう女性アスリートへの「“かわいい”手のひら返し」、どう思われますか? 自分の立場をわきまえないからだ、アスリートらしくしていればいいのに、急におしゃれに目覚めてしまった勘違いヤバ女だからしょうがないと思いますか?

 もし、谷・吉田の両アスリートを「調子に乗っている」と思うのだとしたら、それは「プロの理論」にはまりすぎではないでしょうか。