介護家計簿でトラブル防止

 介護費用を親のお金でまかなう場合、気をつけたいのがきょうだい間のトラブル。また親の心身状態によっては、子が親の金銭管理を行うこともあるでしょう。その場合、介護をしていないきょうだいが「どうして親のお金の残りがこんなに少ないの」と言い出すケースも。

 太田さんは「親の口座から入出金した場合、また、自分で立て替えた場合は、『書いて残す』『領収書は保管』を徹底して」とすすめます。記録はきょうだい間で共有できるようにしておきます。スマートフォンの家計簿アプリを使って出入金を記録、領収書やレシートを撮影すれば、きょうだい間でデータ共有も簡単。

 親の年金収入も少なく、預貯金もない、という場合、しかも子ども自身が年金生活、または子育て中で、金銭面の余裕がない場合はどうでしょう。

 そんなときに検討したいのが「生活保護」です。福祉事務所に申請すると、子どものところに「金銭的支援はできませんか」という問い合わせがきます。しかし、親への扶養義務は法的に未成年の子へのものと違い、「ゆとりがある場合」に生じるものです。難しい場合は難しいと伝えましょう。

 生活保護を受けることで、医療費や介護費は大幅に軽減され、親は経済的な心配なく医療・介護を受けることができます。

 親に持ち家があっても、資産価値が認められないような家であれば、無理な売却も求められません。また、年金がある親でも、一定額以内なら受給可能です。