口を開けば暴言ばかり。20年間も罵り続けた女性(被害男性提供)

口を開いた元・暴言おばさん

 裁判中に弁護士を通して10万円を支払いたいと連絡があったというが、

「断りました。親父も“そんなんけったくそ悪い、いらんわ”言うてました。それ以外の謝罪などは一切ありません」

 被害男性は母親が亡くなった際“バチがあたったから死んだんや”と暴言を吐かれ、悔しい思いをしたこともあるが、

「もう静かな状態がありがたいので、恨んだりするような気持ちはありません。これがずーっと続いてくれればいいんですが……」

 7月9日に懲役6か月、執行猶予2年の有罪判決が下った。

 自宅に戻った“元・暴言おばさん”は何を思うのか。

「弁護士さんにも言われとるんよ。次やったら刑務所だからねって。もう拘置所がしんどかった。2か月と2日もいてな、頭おかしくなるか思ったわ。また入るの嫌やから、今はな、家でじーっとしとる」

 そう話す口調は意外にも穏やかで、どこか愛らしい。

 なぜ暴言を吐き続けたのか。

「朝な、みんな出ていって、家で私ひとりになるんよ。するとキンキン音がして、私をいじめるんよ。建具屋も悪いんや。裁判では言いたいことがあったけど、弁護士に“言っちゃダメ”と言われたから黙っとったんよ」

 と恨み節も。ちなみに、市の騒音測定では基準範囲内だったから、この反論は苦しい。

 一方、事件が報道されたことで参っていることがあるという。

「長男はたまに来てくれるんやけど、事件があってから、次男がうちに来なくなってな。孫も遊びに来てくれない。前は2か月に1回は来ていたのに……。何度、電話しても出てくれんくて。寂しいんよ。夫はそのうち来るよと言うんやけど……」

 弱々しく話す声からは、後悔がにじみ出ていた。